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  1. 長野県議会 2019-02-26
    平成31年 2月定例会本会議-02月26日-07号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成31年 2月定例会本会議-02月26日-07号平成31年 2月定例会本会議 平成31年2月26日(火曜日)  出席議員(58名)   1 番 花岡賢一      27 番 備前光正   2 番 今井愛郎      28 番 両角友成   3 番 寺沢功希      29 番 吉川彰一   4 番 山口典久      30 番 清水純子   5 番 百瀬智之      31 番 小池久長   6 番 金沢敦志      32 番 諏訪光昭   7 番 小山仁志      33 番 髙橋岑俊   8 番 共田武史      34 番 今井 敦   9 番 丸山大輔      35 番 丸山栄一   10 番 荒井武志      36 番 竹内久幸   11 番 堀場秀孝      37 番 小林伸陽   12 番 依田明善      38 番 高村京子   13 番 石和 大      39 番 今井正子   14 番 埋橋茂人      40 番 村上 淳   15 番 藤岡義英      41 番 小池 清   16 番 髙島陽子      42 番 宮本衡司   17 番 小川修一      43 番 清沢英男
      18 番 中川宏昌      44 番 垣内基良   19 番 浜 章吉      45 番 鈴木 清   20 番 酒井 茂      46 番 西沢正隆   21 番 堀内孝人      47 番 風間辰一   22 番 小島康晴      48 番 佐々木祥二   23 番 小林東一郎     49 番 向山公人   24 番 下沢順一郎     50 番 高橋 宏   25 番 山岸喜昭      51 番 宮澤敏文   26 番 和田明子      52 番 平野成基   53 番 本郷一彦      56 番 服部宏昭   54 番 村石正郎      57 番 望月雄内   55 番 萩原 清      58 番 古田芙士         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    建設部長      長谷川朋弘   副知事       太田 寛    建設部リニア整   副知事       中島恵理    備推進局長     水間武樹   危機管理監兼危           会計管理者兼会   機管理部長     池田秀幸    計局長       塩谷幸隆   企画振興部長    小岩正貴    公営企業管理者   総務部長      関昇一郎    企業局長事務取扱  小林 透   県民文化部長    角田道夫    総務参事兼財政   健康福祉部長    大月良則    課長        伊藤一紀   環境部長      高田真由美   教育長       原山隆一   産業政策監兼産           教育次長      轟 寛逸   業労働部長     内田雅啓    教育次長      三輪晋一   観光部長      熊谷 晃    警察本部長     伊藤泰充   農政部長      山本智章    警務部長      野﨑美仁   林務部長      山﨑 明    監査委員      田口敏子         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      吉沢 久    議事課担当係長   神戸圭一郎   議事課長      村松敏伸    議事課担当係長   鈴木晉一   企画幹兼議事課           総務課担当係長   伊藤啓一   課長補佐      小松健一         ───────────────────  平成31年2月26日(火曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(鈴木清 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(鈴木清 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、小池久長議員。       〔31番小池久長君登壇〕 ◆31番(小池久長 君)おはようございます。  政府は、改正農村地域工業等導入促進法地域未来投資促進法を成立させた上で、農地法や農振法の政令を改正し、これらの法律を自治体が運用する際のルールを定めた基本方針をまとめました。今回の法改正は、優良農地の農地転用が例外的に許可される範囲を企業用地への転用において拡大するものであります。農地法の目的は、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図ることで、国民に対する食料の安定供給の確保に資することにあります。  また、農振法の目的は、総合的に農業の振興を図ることが必要であると認められる地域に対して計画的な整備のための施策、措置を行うことで農業の健全な発展を図るとともに、国土資源の合理的な利用に寄与することを目的とするとされています。すなわち、農地法、農振法は、農業生産に必要不可欠な農地を食料の安定供給や農業の発展という目的のもと保護するための法律であると言えます。  このような趣旨のもと、農地法は、原則として転用には都道府県知事の許可が必要であること。また、農振法は、都道府県知事が定める農業振興地域の中で、指定用途以外で転用が原則として許可されない農用地区域を市町村が定めるとしています。この農用地区域以外でも、市街化調整区域内の土地改良事業の対象になった農地等、特に優良な営農条件を備えている農地である甲種農地や10ヘクタール以上の規模の一団の農地、土地改良事業の対象となった農地等良好な営農条件を備えている農地である第1種農地においても原則として転用は許可されないとされています。  地域未来投資促進法は、地域の成長産業に対しての投資を通じて地域経済の成長を図るための法律で、観光、農林水産、成長ものづくり分野など、地域の特性を生かしながら成長性の高い分野に挑戦する取り組みであります。この法律は、地域経済を支える企業に対して人、物、金、情報、規則の特例といった幅広い支援を行い、設備投資を促すものであります。地域未来投資促進法17条には、国の行政機関の長または都道府県知事は、この法律により承認された地域経済牽引事業の中で、土地利用調整計画に適合するものを実施するために、農地法等の法律の規定による許可その他の処分を求められたときには、当該事業の施設の整備が円滑に行われるよう適切な配慮をするものとすると規定されています。  本県においても、人口の高齢化、人口減少社会が進行する中で農業従事者は年々減少している状況です。引き続き優良農地を確保し、農業振興を図っていくことは重要である一方で、荒廃農地が増加している中で、場合によってはそういった農地を工業等ほかの産業に活用することにより地域の活性化につながるケースもあります。  そこで、本県における荒廃農地の発生状況はどのようになっているのかお伺いいたします。  また、そのうち農地として再活用している実績はどうなっているのか。加えて、市町村の実情を踏まえた適切な土地利用調整のもと、企業立地等の開発と農地保全の調整について県としてどのように考えているのか、農政部長の所見を伺います。  農業を取り巻く環境は依然厳しい状況であります。高標高地域の冷涼な気象条件を生かした新たな品目として、諏訪地域でも夏秋イチゴの栽培を手がける若手農業者がふえております。昨年8月以降の気温が高い時期の収量の低下や赤く色づかない白ろう果の発生などが課題となっていると聞いておりますが、本県では、昨年、夏秋イチゴの新品種「長・野53号」を普及に移したと聞いておりますが、この品種の活用を含め、諏訪地域の夏秋イチゴの生産拡大をどのように支援していくのか、あわせて農政部長にお伺いをいたします。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)順次お答えいたします。  まず、荒廃農地の発生状況と再生状況についてであります。  全国の荒廃農地面積は、平成26年から29年にかけて約1万ヘクタール増加しておりますが、本県では平成26年の約1万8,700ヘクタールから4年連続で減少し、29年には約1万6,400ヘクタールと2,000ヘクタール以上減少しております。これは、本県が荒廃農地の解消を関係者とともに精力的に取り組んできた成果であり、具体的な取り組みとしましては、農業に参入した企業が中山間地域の荒廃農地を中心にソバの生産拡大を図っている事例、また、農業委員会が中心となって農地を守るための組織を立ち上げ、地域住民の力もかりながら荒廃農地でワイン用ブドウの生産拡大を図っている事例などがあります。こうした地域の実情に応じた取り組みにより、本県の平成26年以降の荒廃農地の再生活用面積は2,800ヘクタールを上回り、全国1位の解消実績となっております。  次に、企業立地等の開発と農地保全の調整についてであります。  農地への企業立地等については、優良農地の確保による農業振興と工業等の導入による地域の振興という両者の観点から、地域の均衡ある発展に配慮をした土地利用調整が適切に行われることが必要と考えております。  これまでも、農地法、農村産業法地域未来投資促進法等により県と市町村が適切な土地利用調整を行うことで荒廃農地に企業立地等がなされている事例があり、県としましては、引き続き地域の実情を踏まえながら適切に対応してまいります。  続きまして、諏訪地域の夏秋イチゴの生産拡大についてであります。  夏秋イチゴは冷涼な気象条件に適した作物で、諏訪地域は県内生産量の約2割を占める有力な産地となっております。生産上の課題としましては、議員御指摘のとおり、8月以降の収量の低下や色づきの悪さなどが挙げられ、これら課題に対応するため、昨年、新品種「長・野53号」を普及に移したところであります。  本年度、富士見町の農家に御協力をいただき、地域への適応性を調査したところ、秋の収穫量が多く、高品質な果実の割合が高いなど良好な結果が得られたことから、31年度からは茅野市、原村を含め新たに4戸の農家に新品種を導入していただく予定であります。引き続き、農業改良普及センターの技術指導による新品種の定着支援や栽培用ハウスに対する補助事業の活用などにより生産拡大と産地の育成を支援してまいります。  以上であります。       〔31番小池久長君登壇〕 ◆31番(小池久長 君)続いて、選ばれる高校について質問させていただきます。  毎年、諏訪、岡谷から茅野、富士見までの圏域を含む旧第7通学区におきまして、他地区の高校や隣接する山梨県へ多くの生徒が進学する状況にあります。この件は、これまでも県議会で取り上げられています。流出の事情はさまざまあると思いますが、一つの理由として、地域の中学生から選ばれる魅力のある学校になっていないのではないかと推察されます。諏訪市には中高一貫校があり、この地域の普通科も充実しておりますし、専門高校も、諏訪実業高校や富士見、岡工など歴史ある高校がそろっています。それにもかかわらず県外へ流出する要因は何か。少子化が進む中で、第2期高校再編の協議が始まろうとしております。それぞれの学校が魅力づくりに励んでいることは承知しておりますが、時代の転換期や、交通事情がよくなり流動性が高まる中で、時代を見据えた選ばれる学校としての魅力づくりが求められていると思います。  AI、IoTの時代において、学力向上も大切でありますが、普通科で学びを磨き、大学へ進学することも大切であります。  一方、これからの地域を支える人材育成等、地域で就職するような多様な選択肢も魅力の一つであります。その意味で、専門高校において地域産業を担う人づくりは大切です。今回、新事業として、建設部では、建設産業の次世代を担う人づくり推進事業を事業化いたしました。南海トラフ地震や近年多発する自然災害の発生の際、頼りになるのは地元の建設業業者の皆さんであります。  今後、専門知識を持った人材はさらに必要でありますが、人材不足は顕著であります。諏訪地域には、その事業に該当する建設系学科が配置されていないということ、また、健康福祉を担う人材も必要であります。  そこで、教育長にお伺いいたしますが、旧第7通学区において中学生に選ばれる高校づくりが必要だと思いますが、いかがでしょうか。教育長のお考えを伺います。  また、旧第7通学区において専門性を持った人材の育成を充実していく必要があると思いますが、あわせてお伺いいたします。  重ねて、31年度の施策の新規事業として、建設産業の次世代を担う人づくり推進事業において工事現場見学や技術者による出前講座など建設産業の広報や産学官連携強化により建設業への就業を促進する取り組みは大変重要だと思います。  建設部長にお伺いいたしますが、高校に建設系学科が設置されていない地域においてどのような取り組みが必要と考えるか、お考えをお尋ねいたします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)選ばれる高校づくり、専門性を持った人材育成についてのお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、隣接する山梨県等の県外高校へ旧第7通学区から毎年100名程度が流出しております。そのうち約5割が大学進学、約2割が部活を目的としているところでございます。中学生から選ばれる高校づくりを進めるためには、大学進学や部活動等子供たちが夢に挑戦できる学びの場を整えていく必要があるというふうに考えております。そのためには、質の高い学びの場の充実が必須であるというふうに考えているところでございます。  また、専門性を持った人材育成を充実するためには、例えば議員御指摘の建設系や健康福祉系の学び等は有効と考えられる方策の一つでございます。これも含め、専門性の育成は、専門高校のみならず、普通高校においても幅広い観点から検討していく必要があるというふうに考えております。  いずれにしましても、これらの観点につきましては、これから設置される協議会におきまして幅広く御議論いただきたいというふうに考えているところでございます。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)高校に建設系学科が設置されていない地域における建設産業の担い手確保の取り組みについてのお尋ねでございます。  御指摘のような地域におきましては、建設産業のPRによる認知度向上が効果的と考えており、高校生、小中学生とその保護者を対象とした現場見学会や出前講座の実施に取り組んでいます。  加えて、建設系学科が設置されていない職業学科のある高校、さらには、普通高校においても建設産業への理解促進を図る取り組みが必要と認識しており、今後教育委員会とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。  あわせて、若者が入職したいと思える魅力ある建設産業を目指して、週休2日制の定着やICT活用工事の普及など働きやすい、働きたくなる環境づくりに向けたさまざまな取り組みを産学官の連携により着実に実行し、担い手の確保を図ってまいります。  以上でございます。       〔31番小池久長君登壇〕 ◆31番(小池久長 君)連日のようにいじめや虐待の報道が私たちの耳に届き、心を痛める人も多いです。  美輪明宏氏の「ヨイトマケの唄」、小学校の同級生と母親のことで、少年の母親は、足が不自由ながら、真っ黒に日焼けして工事現場で働きました。心配する子供の前では胸を張り、大丈夫だという顔をいたしました。  この「ヨイトマケの唄」は、発売当時大ヒットしましたが、歌詞中の表現が問題となり、放送禁止となりました。しかし、現在では有名アーティストがカバーする名曲であります。  戦後の信州の農村地帯は非常に貧しく、中学を卒業すると多くの子供たちが家計を助けるために働きに出た歴史はそう遠いわけではありません。私の母もそうでありました。大人も、農業の合間に建設業、また、冬場は寒天屋さん、酒蔵の蔵人として一生懸命働く。この姿、私は今も鮮明に覚えております。親の背中を見て子供は育つと言われますが、私たちは子供にどんな背中を見せることができるのでしょうか。今も聞こえる母ちゃんの唄、子供のためならエンヤコラ。終わります。 ○議長(鈴木清 君)次に、共田武史議員。       〔8番共田武史君登壇〕
    ◆8番(共田武史 君)自由民主党長野県議団、共田武史です。諏訪湖の生態系と水環境についての質問です。  今シーズン、諏訪湖のほとりはワカサギ釣りを楽しむ人でにぎわっていました。2016年に起きた諏訪湖のワカサギの大量死、当時、諏訪湖のワカサギが絶滅するのではないか、そんな心配をされたのですが、ことしはもとどおりに戻ったようです。  2017年には、諏訪湖の周辺で異臭騒ぎがありました。水が臭く、周りが大騒ぎした事件です。最近、水質や生態系に大きな変化が起きています。レジームシフトが起きているとの意見もありますが、このレジームシフトも、実際起きているのか、それとも実在するのかさえもいろいろな意見があり、まだ十分に検証されていません。  諏訪湖創生ビジョンは、諏訪湖の周辺の住民にとっても、長野県にとっても期待の持てる計画であり、地域の方々にも浸透し、最近では地域住民の方々からいろいろな意見やアイデアをいただけるようになってきています。諏訪湖創生ビジョンの成否には水質の改善と生態系の復活が大きな柱となります。現在、諏訪湖の水質などについてさまざまな調査が行われていますが、その結果が気になります。そこで、諏訪湖周辺地下水調査と深さなどの湖底調査を実施したと思いますが、結果と今後の対応について長谷川建設部長にお伺いいたします。  昭和50年まで諏訪湖の漁獲量は400トンを超えていましたが、近年では10トン程度と40分の1に激減しています。諏訪湖漁協の方々は湖底を調査し、その結果、湖底には1メートルものヘドロが堆積し、その上に枯れたヒシやクロモが浮遊しており、生物にとって劣悪な環境であると言っています。これが貧酸素化の原因の一つとも考えられています。県では、来年度予算にナノバブルを活用した貧酸素や底質の改善手法検証の事業費を計上していますが、どのような成果を期待しているのでしょうか。高田環境部長にお伺いいたします。  諏訪湖には、エゴと呼ばれる入り江にさまざまな生物が住んでいた場所がありました。護岸整備や埋め立てにより、現在はエゴは存在していません。エビやフナなどの生物がほとんどとれなくなっているのは、エゴと言われている生物が生息する入り江がなくなったことが大きな原因とも言われています。諏訪湖創生ビジョンでは、エゴの再生に向けた取り組みを行うとされていますが、現在の対応状況について高田環境部長にお伺いいたします。  20年前までは、湖畔でフナなどの小魚やエビを釣る子供たちの姿が見えました。夏の夜には、湖岸で懐中電灯と網を持ってエビをとる親子の姿がありました。今は見かけることはありません。岸辺には生物がいないからです。漁協の漁獲高が40分の1にも激減しています。魚やエビがとれなくなったことからです。  2006年の諏訪湖の水辺整備マスタープランでは、エゴの復活が書かれています。しかし、現在、エゴらしきものはそこには見当たりません。エビや小魚など生物がすみつきやすい多孔質な構造を持つ護岸整備が諏訪湖創生ビジョンの5年間の取り組みにも掲げられていますが、来年度予算にも見当たりません。諏訪湖の再生のためには、水質の保全だけではなく、生態系を含めた総合的な取り組みが必要と考えますが、中島副知事に所見をお伺いいたします。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)諏訪湖に係る地下水調査と湖底調査についてのお尋ねでございます。  地下水調査は、湖の中の湧水の減少が貧酸素水域の拡大に影響しているのではないかとの諏訪湖創生ビジョン推進会議等での意見を踏まえ、護岸の下に施工された鋼矢板が周辺から湖内への地下水流入を阻害し、湧水を減らしていないかを調べるものです。湖の中に湧水があったとされる岡谷市小坂区の湖岸周辺で昨年1月に調査ボーリングを6本実施し、地質や地下水の状況を1年間調べてきました。現在は、データを取りまとめ、結果の考察について学識者の意見をお聞きしているところであります。  次に、湖底調査については、諏訪湖の浅瀬化への懸念や貧酸素対策湖底地形データが必要との意見を踏まえ、実施したものであります。船底から音響を発信し、水深を計測することにより湖底の地形を把握するもので、現在は過去の湖底測量結果との比較などにより堆積状況の分析をしております。地下水調査、湖底調査とも、来月中には関係する皆様を含め広く結果をお示ししつつ、御意見を伺う予定としております。  以上でございます。       〔環境部長高田真由美君登壇〕 ◎環境部長(高田真由美 君)2点御質問をいただきました。  初めに、ナノバブルを活用した貧酸素等改善の事業についてでございます。  県では、平成28年3月に新たな環境基準として底層溶存酸素量が設定されたことを受けまして、今後、水生生物の生息状況等を踏まえて、湖沼の類型指定を行っていく予定でございます。この類型指定に当たりましては、水質改善手法の効果を見据える必要があることから、来年度予算をお願いいたしましたこの事業において、水質改善手法の一つであるナノバブルの活用による改善効果等を検証するものでございます。  具体的には、ナノバブル発生装置を諏訪湖の沖合に設置して湖底に酸素を送り込み、稼働前後の水質を測定するとともに底質の分析を行います。この測定と分析の結果を踏まえて、貧酸素及び底質の改善効果を検証するとともに、他の機械力を用いた貧酸素対策と効果等を比較し、類型指定の検討を進めてまいります。また、貧酸素対策を重点的に行うエリアでの効果的な対策の検討につなげてまいりたいと考えております。  続いて、エゴの再生についてでございます。  諏訪湖には、かつて、湖岸線が複雑に入り組んだ浅い場所にエゴと呼ばれる岸辺から沖合にかけてさまざまな水生生物がバランスよく生息した場所がございましたが、昭和53年を最後に、現在はエゴのない状況となっております。こうした中、諏訪湖創生ビジョンでは、多種多様な生き物を育む湖を目指し、今後5年間の取り組みとしてエゴの再生に向けた調査研究を行うこととしております。  県では、これまでもヒシ等の繁茂状況の調査を実施してまいりましたが、さらに、今年度から湖辺の動植物の分布状況の調査を開始しております。今後、湖辺全域の調査を行い、現状を把握しながらエゴの再生に向け取り組みを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔副知事中島恵理君登壇〕 ◎副知事(中島恵理 君)諏訪湖の再生について御質問をいただきました。  諏訪湖の再生につきましては、議員御指摘のとおり、水質だけではなくて、生態系保全を含めた諏訪湖全体の水環境保全等の取り組みが必要でございまして、そのために諏訪湖創生ビジョンを策定いたしました。生態系保全に関しては、多種多様な生き物を育む湖として、今後5年間の具体的な取り組みを盛り込んでおります。  具体的には、さきに環境部長が答弁した湖辺動植物の調査に加え、ワカサギの資源量調査や魚の餌となるプランクトンの調査を実施しております。  また、設置を検討している諏訪湖環境研究センターに関して複数の県機関で行っている調査研究を統合するなど、生態系の調査研究を強化する観点からの検討も行っております。  生態系改善策としては、過去にエゴがあったとされている場所近辺に自然配慮型の護岸工事を行ってきておりまして、今後エゴの再生に資する覆砂やヒシの刈り取りを行っていく予定でございます。また、シジミなどの水生生物のすみやすい環境づくりに資する覆砂による浅場造成も今後5年間で3カ所ふやす予定でございます。さらには、新たにドローンを活用したカワアイサ等の魚食性鳥類からの食害防除も行っております。  生態系保全の取り組みは、環境、農政、建設、林務部と諏訪地域振興局等との連携が不可欠でございまして、部局横断で諏訪湖の環境保全を総合的に推進していきたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔8番共田武史君登壇〕 ◆8番(共田武史 君)調査結果は来月中には発表されるということですが、先ほど中島副知事からもありましたけれども、いろいろなものがまだ調査段階です。できるだけ早く調査結果をまとめて次への第一歩を踏み出していただければと思います。  また、エゴについてですが、2006年からの計画です。今、まだ調査ということには少し疑問を感じます。また、多孔質の構造を持つ護岸については諏訪湖創生ビジョンにも書かれています。多孔質構造を持つ護岸には、ウナギなどが生息する可能性が示されている部分もあります。そんな意味で、この諏訪湖の生態系を回復するために、できるだけ早急で具体的な行動を御期待申し上げます。  続きまして、これからの産業と人材育成についての質問です。  ことしの1月、地元の成人式に出席しました。長野県の成人式の対象予定者は2万2,136人とのことです。人手不足と大都市への人口流出を考えると、新成人を目の前に、この新成人全員が長野県に残って活躍すればと思うのは私だけではないと思います。  長野県内はこれだけ人手不足で若い人が活躍する場があること、そして、社会が変化する中で新しい可能性が長野県にもあることを伝えなければと強く感じました。長野県の部課では、それぞれ所管するさまざまな職業に対してこれから必要とされる人材のビジョンがあると思います。今後必要とされる人材像や活躍できる職業というものを取りまとめればこれからの産業の全体像を把握できると思います。そして、人材育成や産業のあり方に利用できます。  そこで、さまざまな産業分野で必要とされる人材を育成するに当たり、人材像をどう把握し若者に伝えていくのか。現状と今後の方向性について内田産業労働部長にお伺いします。  これから必要とされる人材像をまとめると、これからの産業像が見えてくると思います。また、産業像は、世界情勢や技術変化、文化や歴史などからも考えなければなりません。さまざまな視点で考えなければいけないこの産業の未来像、長野県の産業の未来を探るに際しては、そこで求められる人材の育成策もともに探ることが大切だと思いますが、いかがでしょうか。阿部知事にお伺いします。  そして、高校生に対して、長野県には若者の力が必要だということや活躍の場がたくさんあることを伝えることは、学ぶ目的を考え、夢を持つ上でも大切であると考えます。  また、県が求める人材として期待する能力や力は高校生のうちからしっかり学びの中に位置づけ、育成することが重要だと考えます。教育委員会としての認識と取り組みについて原山教育長にお伺いいたします。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)産業分野で必要とされる人材像の把握等について御質問をいただきました。  県内産業が必要とする人材像につきましては、これまで長野県就業促進・働き方改革戦略会議の産業分野別会議及び産業人材育成協議会のほか、企業訪問や企業アンケートなどさまざまな機会を捉えて企業経営者や有識者から伺ってきたところでございます。  また、信州ものづくり未来塾やインターンシップマッチングフェア、県の技術専門校などの人材育成機関における学びの中で、あるいは学校で行う職場見学などのキャリア教育の中などで、求められる人材像を若者に伝えているところでございます。  今後も、県内企業の皆様からお話を伺い人材像の把握に努めるとともに、来年度、新たに企業みずからが企画し、小学生を対象とした職場体験事業を行うに際しまして、人材像も伝えてもらうなど、引き続き教育委員会とも連携をいたしまして広く若者に伝えてまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)本県産業の未来を探るに際しては、そこで求められる人材の育成策もともに探ることが大切だと思うがいかがかという御質問でございます。  長野県の発展、とりわけ産業の継続的な発展には、御指摘のとおり、人材の育成が極めて重要だというふうに思っております。人材育成は、子供たちの教育からリカレント教育まで、非常に幅広い観点での人材育成ということが重要になってきているというふうに思っております。  幼児教育支援センターを設置して幼児教育の充実を図っていきたいというふうに思っておりますし、また、教育委員会を中心に高校改革を進めているところであります。さらには、高等教育の振興ということで、県立大学の設置を初め、県内高等教育機関の振興支援を行わせてきていただいておりますし、また、県立の農業大学校や林業大学校、工科短大、こうした学びの場も充実し、これからの未来に向けてのあり方を検討してきているところでございます。  また、当面の課題としての産業人材の確保を行うに当たっても、その教育、人づくり、人材育成という観点もしっかり持ちながら取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。  こうした幅広い観点から、この人材育成、人づくりを進めていきたいというふうに思っておりますが、長野県は、学びの県づくりということを目指しているわけでありますので、これからも産業の振興発展、そのために必要な人材の育成、この両者をしっかり連携をさせながら取り組みを進めていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)これからの産業と人材育成に関しまして教育委員会としての認識と取り組みについてというお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、地域を担う人材育成を学びの中に位置づけることは大変重要であるというふうに考えております。信州に根差した確かなアイデンティティーと世界に通じる広い視野を持って他者と協働して新たな地域社会を主体的に創造していく、そうした力を育成してまいりたいと思っております。  社会が大きく変わっていく中で、求められる産業人材のあり方も大きく変わっていくことが考えられます。本県の産業界が求める人材像、これを県教育委員会としても知事部局と連携してしっかり把握し、学校現場での学びの中に反映してまいりたいというふうに考えております。  例えば、探究的な学びを通して創造性を育んだり、あるいはSTEAM教育の充実によるAI等を活用できる人材の育成や、地域や産業界と高校が連携協働して生徒を育てるデュアルシステムの拡大などにも取り組んでまいりたいというふうに思っております。  こうした取り組みによりまして長野県の産業を牽引する人材の育成に努めてまいりたいというふうに考えております。       〔8番共田武史君登壇〕 ◆8番(共田武史 君)御答弁いただきました。  農政林務委員会の中で、イラストを交えて、林業はこんなものだ、こんな活躍の場があると、そんなパンフレットを高校生に配ったという説明がありました。大変いい取り組みだという思いの反面、片方に偏っても危険だなという感じがしました。  また、農政部では、農業界のトップランナー、1,000万プレイヤーをつくると、そういうお話がありました。そんな中で、子供たち、若者に対して、これからどんな可能性があるのか、そんなことを伝えることが実は今重要なのではないか。出ていく子供たちに対して、郷土愛よりも自分たちの活躍の場を示していくことが大切ではないかと思って今回の質問をさせていただきました。引き続き、高校生、そして産業人材像の把握と活用について進めていただくことを要望しておきます。  続きまして、成長期待分野への展開支援についてです。  長野県の製造業は、県内総生産の4分の1を占めています。製造業の歴史を振り返れば、諏訪地方を中心に、製糸業から機械工業、そして電気・精密機械工業へと変革を遂げています。時代の変化とともに変わり続けている製造業は、時代に合わせてさらに新しい変革が求められていると思います。  しあわせ信州創造プラン2.0では産業の生産性が高い県づくりを掲げ、その具体的な取り組みとして、航空機産業振興ビジョンや医療機器産業振興ビジョンによる振興策が盛り込まれています。そんな中、諏訪地方の小規模企業や零細企業からは、航空宇宙産業は投資に何億にも上る膨大な費用がかかり、回収するまで10年以上の時間がかかる。投資回収をするには体力的に無理があることから手が出せないとの声や、現在航空機産業に部品等を提供している会社は、現在赤字でも、イメージアップやブランド化のためだけにそういった製品をつくっているという声があります。医療機器開発は、過去に薬機法のような医療機器の承認で諦めた経験がある等の声があります。技術開発力や工程管理能力が高い大手・中堅企業はいざ知らず、機械加工などを行っている中小零細企業にとっては、それらの分野への参入はハードルが高いと考えられますが、そのハードルを下げるために、ビジョンに基づきどのような施策を講じていくのか、内田産業労働部長にお伺いいたします。  続きまして、第36回全国都市緑化信州フェア「信州花フェスタ2019」についての質問です。4月25日から始まるこのフェアですが、大変楽しみではありますが、まだまだPR不足だとも感じます。  そこで、3点、長谷川建設部長にお伺いいたします。  長野県は、県土の8割近くが森林で、長野市、松本市を初めとする都市にも緑がふんだんにあるように思いますが、都市緑化フェアを長野県で開催する意義についてお伺いいたします。  来場者数はどれくらいを見込んでいるのでしょうか。PRが足りないようにも感じます。どのような媒体を使い、誰をターゲットにしてPRしているのでしょうか。県外から観光客やインバウンドの誘客も見込んでいるのでしょうか。建設部と観光部がしっかり連携しているのでしょうか。  そして、このイベントを一過性のものとせず、今後の長野県の発展にどのように生かしていくのか、阿部知事にお伺いいたします。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)航空機や医療機器のビジョンに基づく中小零細企業への支援についての御質問でございます。  航空機や医療機器ビジョン策定の目的には、本県のすぐれた精密加工技術を生かすことができる成長期待分野への参入を促進することでございます。しかし、これらの分野の高度な部品開発には、やはり特有の管理能力や高い技術開発力が不可欠でございまして、確かに中小零細企業にとっては大きな課題となってございます。  そこで、これらのビジョンでは、管理能力を高めるために、航空機では品質管理システムであるJISQ9100の取得支援や設計技術者の育成、医療機器では、国の医療機器審査を円滑に受けられるためのアドバイスなどを行ってまいります。  また、技術開発力の向上や研究人材育成のために、工業技術総合センターによる研究会から共同研究までの一貫支援のほか、テクノ財団や信州大学等による産学官連携による研究開発も推進しておりまして、実際に零細企業が参入したという事例もございます。  一方、航空機や医療機器分野の製造には特有の管理能力や高い技術開発力を必要としない部品や工具などもございますので、これらの製造に関する技術支援などもあわせて行いまして参入拡大を図ってまいります。  以上でございます。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)信州フェアを長野県で開催する意義についてのお尋ねでございます。  本県は、周囲を豊かな緑の山々に囲まれているものの、市街地での都市公園の面積割合は約3%で全国24位、また、人口集中地域で見ると全国36位とそれぞれ低く、町なかの緑は大都市に比べると少ない状況にあります。  その一方で、暮らしに潤いと安らぎを与える緑の役割はますます重要となっております。信州フェアの開催は、ふだん何気なく目にする町なかの花や緑が果たす役割やすばらしさを改めて見詰め直し、都市緑化を進めていくきっかけになるものと考えております。  信州フェアへの来場者見込みとPRについてのお尋ねでございます。  まず、来場者につきましては、メーン会場の松本平広域公園とサブ会場の国営アルプスあづみの公園及び長野県烏川渓谷緑地を合わせ、約50万人を見込んでおります。  次に、信州フェアでは、花や緑のすばらしさや信州の魅力を県内外の幅広い世代の皆様に感じていただきたいと考えており、そのためのPRとして、ポスターやチラシ、新聞、雑誌などによるフェアの紹介、県外では都内や名古屋市内でのキャンペーンなどに取り組んでまいりました。今後、これらに加え、県内ではテレビ、ラジオ等のメディアを活用した積極的なPRに取り組むほか、県外では県の観光大使である峰竜太さんのラジオ番組でのフェアの紹介や、JR東日本やJR東海の駅などでのポスター掲示も予定しております。フェアの公式ホームページの1月のアクセス数は前月に比べ2倍以上に増加しているところですが、まだまだ不十分と感じており、引き続きフェアの魅力発信に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、信州フェアへの県外及びインバウンド誘客における観光部との連携についてのお尋ねでございます。  信州フェアを開催する4月から6月は多くの観光客が訪れる季節であることから、国内外からのさらなる誘客に向け観光部と連携して取り組んできたところであります。これまで、信州フェアを組み込んだツアー造成を中心に取り組んでまいりましたが、信州キャンペーン実行委員会が行う春の誘客キャンペーンにおいて、特別宿泊プランの販売や同時期に開催される県内各地の花イベントを組み込んだモデルコースの提案など、信州の春の旅の魅力を発信してまいります。  加えて、10連休明けの落ち込み対策として、信州フェアと絡めたバスツアーへの助成によるバスツアーの増発、NEXCO各社と連携した周遊企画についても観光部と連携しながら検討しております。  また、インバウンドに関しても、海外の観光客向けガイドブックにおける信州フェアの紹介や英語や中国語など多言語のチラシを作成し、海外の旅行会社における旅行商品造成にも活用していただいているところであります。信州フェアに県内外から多くの皆様に御来場いただけるよう引き続き観光部や関係機関などと連携しながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、全国都市緑化信州フェア「信州花フェスタ」を一過性のものとせず長野県の発展にどう生かすかという御質問をいただきました。  建設部長から御答弁申し上げたように、まずは会期中大勢の方にお越しいただいて花フェスタそのものを成功させなければいけないというふうに思っております。と同時に、御指摘のとおり、これを単に一過性のイベントに終わらせることなく、今後の長野県の都市緑化につなげていく必要があるというふうに思っております。そういう意味で、まずは多くの方々に花や緑に関心を持っていただく場にしていきたいというふうに思っております。小学生や地域住民の方々に御参加いただく花壇づくりやフラワーアレンジメント等の体験講座等を通じて花や緑を育む心を持つ方々を広げていきたいというふうに思っております。  また、緑化推進に関しましては、活動の中心となっていただきます緑の担い手の育成が重要でありまして、花緑スキルアップ講座というものを通じまして専門的知識や技術を習得いただく方をふやしていきたいというふうに思っております。  こうした取り組みを通じまして、市民レベルで活動いただく担い手を広げていきたい、育てていきたいというふうに思っております。  こうしたことを通じて、信州花フェスタ開催後も全県的な都市緑化を進めていきたいというふうに思っております。  以上でございます。       〔8番共田武史君登壇〕 ◆8番(共田武史 君)成長期待分野への展開支援についてですが、航空宇宙産業、医療機器はこれからかなり期待の持てる分野です。引き続き力強く、また、中小企業のほうにも目配せしながら取り組んでいただくことを要望いたします。  反面、最先端技術も20年もすれば古い技術となってしまうのがこの産業分野です。今まで培われてきた加工技術や今はローテクとなった技術も取りまとめて新しいものをつくっていく、そんな考え方も必要だと思っています。そんな意味でも、今残っている中小零細企業や町工場などもまとめながら、次の新しいビジネス、産業づくりに御尽力をいただければと思います。
     そして、都市緑化フェアですが、50万人を見込んでいるとのことです。私たちの町、岡谷市の鶴峯公園や出早神社でもイベントが開催されるようです。この50万人が長野県中に広がって、これから、この長野県の豊かな自然をより豊かにできるような取り組みを期待します。また、反面、町の中の街路樹や緑が荒れ果てている、そんな姿が見受けられる状況もございます。管理方法も引き続き考えながらこのイベントも進めていただければと思います。  以上で質問を終わります。 ○議長(鈴木清 君)次に、依田明善議員。       〔12番依田明善君登壇〕 ◆12番(依田明善 君)今回は知的財産権の保護について御質問いたします。  グローバリズム、グローバル化、あるいはグローバル経済という言葉が世の中をばっこし始めて久しいわけですが、私は、それらが必ずしも全人類の平和や繁栄をもたらす万能の思想だとは思いません。確かに、あらゆる民族が国境を越え、経済的にも社会的にも結びつきを強めることは一見先進的に映ります。しかしながら、大きなデメリットも想定されます。例えば、その国の文化や伝統が否定されたり失われたりするおそれがある。あるいは、主権、利権、居住権、財産権などをめぐり奪い合いが起きやすくなる、そういったことが危惧されるわけであります。  今回は、その中でも知的財産権について御質問させていただきます。  本年の年明け早々、知的財産に関するあるニュースが飛び込んでまいりました。農業・食品産業技術総合研究機構、いわゆる農研機構が開発に16年の歳月をかけ正式に品種登録されていた「みはや」というミカンがあります。それを韓国のある農家が無断栽培を行い出荷していたわけですが、それが突然停止されたというニュースでありました。また、開発に22年の歳月を要した「あすみ」も同様の措置がとられたとのことでした。  以前にも、高級イチゴのとちおとめや高級ブドウのシャインマスカットについて似たような事件がありました。ところが、これらは日本国内で販売や譲渡などが開始されてから6年以内に海外で品種登録をしなかったという理由により泣き寝入りをせざるを得なかったわけであります。恐らく、今回の高級ミカンの出荷停止措置は、その反省を踏まえた上で農研機構が万全の対策をとった、その成果だと思います。  そこで、お尋ねいたします。  県内産業や農業における知的財産の侵害トラブル事例や訴訟の実績等現状はどうなっているのか、また、今後の課題について産業労働部長及び農政部長にお伺いをいたします。  さて、長野県ものづくり産業知的財産活用指針の冒頭には、「知的財産の基盤となる県民意識の向上を目指し、普及啓発と人材育成に取り組みます。」とあります。もちろん、その中には知的財産の保護も含まれているとは思いますが、グローバル経済が急速に発展し、生き馬の目を抜く世の中にあっては、我が国にも産業スパイが数多く潜入してくることを強く認識すべきだと思います。  このくだりを書いていて、ふと、あるテレビドラマのことが頭に浮かびました。今話題になっております日本の食文化を変えたと言われている即席ラーメンの誕生ドラマであります。この中においても、まさに技術やノウハウを盗まれ、模倣された場面が何度も出てまいりました。主人公やその関係者の悔しがり方は尋常ではありません。ところが、基礎研究をコツコツと重ねるよりも、技術を盗み、まねをするほうがはるかに手っ取り早いということで、模倣品を販売した社長は、お互いに共存共栄で行きましょうやと高笑いをして開き直りました。そこで、特許も既に申請したことを訴えると、相手の社長は、申請しただけでまだ特許を取得したわけではないと反論してきたわけであります。こういった取得までの時間が欧米に比べてかかるという問題は、現在の日本においてもいまだに問題になっております。問題は、このように、今後グローバル化が進めば進むほど負のグローバル人材といった人々とも戦っていかなければなりません。  工業立県である愛知県などは、知的財産保護にかなり力を入れているようですが、本県も知的財産の保護戦略を明確にして効果を上げていく必要があると思います。その点につきまして産業労働部長並びに農政部長の御見解をお伺いいたします。  また、技術を守るには、特許を取得するにこしたことはありません。ある中小企業の社員が親会社の営業マンから商品のつくり方を教えてほしいと頼まれ、下請けの弱い立場からその要請に応じたところ、半年後には仕事が半分に、そして1年後には全く注文がなくなってしまったそうです。こういった場合も特許さえあれば対抗できます。ただし、特許の申請時には特許明細書というものを作成する必要があります。しかしながら、日本語の特質として、ファジーな言い回しが相手に伝わらずに模倣され、訴訟に発展するケースもあるようです。また、逆に曖昧な表現によって救われるケースもあるとのことです。まさに言葉の壁、言葉の弊害、言葉の効用といったものが入り交じっているのが特許明細書の特徴ということになります。企業が知的財産に精通した外国語のスペシャリストを常にそばに置きたくなるのもうなずけます。いずれにしましても、輸出など海外戦略を強化したり、あるいは知的財産を保護する過程において、守るべき権利の範囲を的確に保護するためにどのようなことが必要とお考えか、産業労働部長並びに農政部長にお伺いをいたします。  次に、TLOについてお尋ねいたします。  TLOとは技術移転機関でありまして、大学などで研究開発された技術やアイデア、あるいは発明を企業などに技術移転をする、その仲介役であります。また、積極的にマーケティングを行い技術移転に結びつけていくという役割も担っております。しかしながら、技術移転や技術販売の実績というのは、欧米などと比較すると極めて乏しいという指摘もあります。本県におけるTLOの実績はどうなのか、そして、現状と今後の課題について産業労働部長にお伺いをいたします。  次に、人材育成についてであります。  知的財産を大切なものとして着実に保護していくには、その大切さを感じる人材が育っていくことが大切だと思います。世の中には、著作権や商標権などを軽く考え、誰の目から見てもまねをしたとしか思えないような作品や商品を発表する人たちが後を絶ちません。確かに、国や個人が発展していく段階においては模倣というプロセスをたどってきたわけです。学ぶという言葉の語源はまねるあるいはまねぶということのようでありますが、だとすれば、アニメのキャラクターを他国の人々がまねをしているぐらいは大目に見なければいけないのかもしれません。しかしながら、知的財産として既に権利が保護されているものに関しては、それを侵害することは泥棒行為であります。そういった道理を今後グローバル社会という厳しい荒波の中で生きていかなければならない子供たちにはしっかりと教える必要があると思います。そして、そのような教育を施すことができれば、他人の地道な努力を認めたりリスペクトする心も芽生えてくるのではないでしょうか。  現在において、次世代を担う児童や生徒に対する啓発活動はどのように行われているのか、産業労働部長にお伺いをいたします。  また、学校現場においては、知的財産の大切さをどのような形で教えておられるのか、教育長にお伺いをしたいと思います。  最後に、本県の所有する特許についてお伺いいたします。  グローバル社会の中では情報漏えいによる技術の流出も懸念されます。時あたかもアメリカのトランプ大統領が中国の通信機器メーカーであるファーウェイと中国政府を激しく非難しております。そして、組織的に先端技術を盗み続け、知的財産をも侵害し続けてきたとして中国政府に制裁を加えようとしております。情報管理というのはかくも重大であるということですが、県が所有している特許の情報管理はどのようになされているのか、産業労働部長にお伺いしたいと思います。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)知的財産権の保護について6点御質問をいただきました。順次お答えをいたします。  まず、本県産業における知的財産の訴訟の現状と課題についてでございます。  知的財産の侵害トラブルなどについてまとめた特許庁の2017年度模倣被害実態調査によりますと、模倣品、海賊版等の被害を受けたと回答した企業は24.1%に上り、特に、中国、韓国、台湾における被害が深刻となっております。なお、都道府県別の集計データは公表されておりません。  また、知的財産高等裁判所の統計調査によりますと、国内における知的財産権関係の訴訟件数は、ここ数年は500件台で推移しておりましたが、平成29年では692件と増加しております。県内企業の訴訟事例では、情報機器部品の特許自体が無効とされ敗訴したケースがある一方、訴えが認められ、複数の海外企業の販売の禁止を認める決定も出されております。  県内企業の侵害防止対策では、トラブルを想定し、対応が可能な知的財産の取得が課題ですので、長野県発明協会や日本弁理士会とも連携いたしまして、強みのある特許や商標の獲得のため、権利の明確化と的確な特許明細書の作成を支援してまいります。  次に、知的財産の保護戦略の明確化と効果を上げる方策についてでございます。  県では、長野県ものづくり産業知的財産活用指針を定めておりまして、ここでは、県、関係支援機関の役割を明確化し、保護や活用などについての戦略的な方向性を明らかにしております。昨年7月の改定では、産業イノベーション創出活動の支援、地域ブランドの保護支援、地域金融機関との連携支援などを新たに記載いたしまして、製造業に加えまして農業分野の保護も明確にいたしました。  また、金融機関と連携して地域企業の支援に取り組むことは、知的財産の普及啓発に効果的であることから、本県におきましても、昨年7月に開催した知的財産活用セミナーに県内の金融機関にも初めて御参加いただきまして、連携した取り組みを始めたところでございます。来月14日には、長野県発明協会と連携いたしまして農業分野の商標の保護を促進するためのセミナーを開催するなど、今後も関係支援機関と連携をいたしまして、知的財産に対する意識の向上と活用促進に取り組んでまいります。  次に、知的財産の守るべき範囲についてでございます。  特許被害を防止する上で、守るべき権利を保護するための言葉遣いや表現が重要になっております。また、外国出願の際にも、曖昧な表現は翻訳ミスにつながる場合がございまして、相手に侵害されやすいグレーゾーンが広がる可能性もあります。  一方、表現方法を工夫すると、素材や形状が変わっても権利が適用されることがございます。 具体的な事例を申し上げますと、紙製の取っ手つきコップの発明をした場合、他社がプラスチック製の同種製品をつくれば、紙製ではないので特許で守ることはできませんが、当初から紙という素材に限定しない特許を取得していれば権利を守ることができます。このため、広く権利が及ぶよう弁理士にその表現方法を相談し、綿密に検討した上で特許明細書を作成し、最大限権利範囲を確保することが必要と考えております。  次に、株式会社信州TLOの実績と現状課題についてでございます。  本県では、信州大学、長野高専等の研究成果を民間企業へ技術移転する機関として、平成15年に株式会社信州TLOが設立されております。平成29年の実績では、信州TLOが行った民間企業への技術移転は約300件、また、同年度における収入は約3,900万円となってございます。  具体的には、信州大学が開発した市田柿の省力化生産システムのJAみなみ信州への技術移転や、有害物質を吸着する繊維素材の特許を活用した共同研究により、ウィルスや花粉対応マスクとして製品化し、文部科学大臣賞を受賞した事例などがございます。  また、現在、国庫補助金を獲得し、産学官連携により工具の耐久性を高めるコーティング技術の研究開発や森林の画像データの活用技術を用いた松枯れ調査等を通じて大学の技術移転を支援しております。TLOの活動を強化するためには、有力な特許を取得する必要があり、大学の技術シーズを活用した共同研究への取り組みの強化が課題となっておりまして、県テクノ財団による産学官連携による研究開発を通じて支援をしてまいります。  次に、児童や生徒に対する啓発についてでございます。  産業イノベーションの創出を持続的に発展させるには、知的財産を創出、保護する次代を担う若者の人材育成は重要と考えております。  創意工夫を育む取り組みとして、県の試験研究機関が行う夏休みの特別公開による体験教室や県テクノ財団の子ども科学教室などを通じてものづくりや農林業の楽しさや想像力を育成しております。  さらに、長野県発明協会では、少年少女発明クラブの活動を支援し、小中高生の発明を長野県発明くふう展で表彰し、発明への機運を醸成しているほか、工業高校や南信工科短期大学校の学生を対象に、知的財産の発想法や重要性などの出前講座を開催しているところでございます。  若者の理系離れが進むと言われている中、支援機関と連携して、ものづくりなどへの体験を通じクリエーティブな人材の育成に努めることで発明や知的財産に対する関心を高めてまいります。  最後に、県有特許の情報管理についてでございます。  県有特許を登録するまでの段階は、原則として工業技術総合センターや農業関係試験場などの県の試験研究機関と企業や大学との共同研究による知的財産の創出、特許出願、出願審査請求、特許査定の順となっております。最も重要となります特許出願前の情報漏えいを防止するため、共同研究契約を締結して機密保持を確保し、研究成果の公表によって特許を受ける権利を失うことにならないよう、新聞報道や学会発表等には十分注意を払っております。さらに、共同研究成果に係る特許出願に際して、大学や企業が単独で特許出願することのないように特許共同出願契約を締結しております。  また、知的財産の管理においては、特許出願から審査請求、特許登録、登録後の特許料納付に至るまで現地機関と所管課で台帳管理を行いまして、手続漏れにより権利を失効しないように注意を払い、県有特許の情報管理を適切に行ってまいります。  以上でございます。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)私には3点御質問いただきました。  まず、知的財産権の侵害トラブルについてであります。  本県育成品種に係る権利侵害事例は、県内に栽培を限定していたブドウ「ナガノパープル」を他県の生産者が無断で栽培していた事例や、大豆「あやこがね」の種子を他県の団体が無断で生産販売していた事例など過去10年間で5件ありました。これらの事例につきましては、生産者に木の伐採を指導するなどで解決に至っており、29年度以降は権利侵害事案は発生しておりませんが、県では、農業試験場知的財産管理部によるインターネット上での県育成品種の取引の監視を行っているところであります。  また、ブドウのクイーンルージュのように将来の輸出を視野に入れた品種については、輸出重点国での品種登録と商標登録を同時に行うなどの取り組みを進めております。  権利侵害に的確に対応する上では、権利侵害の事実に係る情報の迅速な把握や海外における本県育成品種の戦略的な権利保護及びそれを行う上での専門家との連携が課題と考えております。  次に、知的財産権の保護戦略についてであります。  県では、平成20年に、外部専門家の助言を得ながら信州農産物知的財産活性化戦略を策定するとともに、21年には農業試験場に知的財産管理部を設置し、知的財産権の保護、活用に取り組んでいるところです。この戦略では、農業試験場が開発した新品種や新技術を育成者権や特許権などで保護し、これらから得られる許諾料を次の開発に活用していく知的創造サイクルを目指しております。  具体的な取り組みとしましては、保護については,特に権利侵害が懸念されるブドウ「ナガノパープル」やリンゴ「シナノリップ」など17の果樹のオリジナル品種につきましてDNAによる品種判定技術の開発を行ってまいりました。また、31年度からは、リンゴ「シナノゴールド」の海外許諾料を活用しまして、リンゴ黒星病に強い新品種の開発に着手してまいりたいと考えております。今後も、必要に応じて戦略の見直しを行い、知的財産の積極的な開発、保護、活用に取り組んでまいります。  続きまして、知的財産権を保護するための対応についてであります。  海外での権利保護を進めていく上では、我が国とは法律や習慣が異なることが多いため、現地の実情に即し、特許や法律に詳しい専門家と連携して対応していくことが必要と考えております。例えば、リンゴ「シナノゴールド」の海外許諾に際しましては、海外との交渉に精通した国際特許事務所の専門家から頻繁にアドバイスを受け、交渉を進めてきたところであります。  また、国内においては、信州ひすいそば等の商標出願に当たり、県発明協会からアドバイスをいただくなどしており、今後も、外部の専門家、専門機関から的確な助言を得ながら、保護すべき権利の範囲を明確にして、本県の権利がしっかり守られるよう対応してまいります。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)学校での知的財産権の指導についてのお尋ねでございます。  著作権や特許権、商標権等の知的財産権につきましては、中学校の社会や技術、高校では公民、情報、専門学科の科目等さまざまな場面で指導をしているところであります。例えば、全ての高校生が履修する教科「情報」におきまして、知的財産に係る法に触れる行為の例を具体的に学んだり、課題研究において知的財産権を尊重した研究の進め方や先行研究の適切な引用のルール等を学んだりしているところであります。価値の源泉が知識やアイデアに移行する中、知的財産の大切さを理解し、知的財産の取り扱いについて、子供たち自身が適切な判断ができるよう指導してまいりたいというふうに考えております。       〔12番依田明善君登壇〕 ◆12番(依田明善 君)それぞれ御答弁いただきました。  知的財産というものは、いわゆる企業や個人の飯の種でありますから、しっかりと保護対策を行っていただきたいと思います。  県内企業における特許取得件数を調べてみましたら、2019年2月現在において諏訪のセイコーエプソンが全国トップ10に入っておりました。すばらしいことだと思います。  ただし、私が懸念するのは、冒頭申し上げたように、グローバル社会のデメリットの部分です。今や日本のあらゆる職場の中において外国人が働いております。真面目で勤勉な人々も多く、彼らに救われている雇用者も多いことは事実です。  そんな中において、多くの外国人が日本の知的財産に日々触れていることも事実です。こうなりますと、誰を信じ、誰を信じないのかという信頼関係の問題も出てまいります。あるいは、外資系の企業や外国人株主も多い中、この知的財産は最終的にはどこの人たちの財産になっていくのかという漠然とした不安も我々にはあります。つまり、知的財産の保護というテーマは、この国の存亡にもかかわる問題だということを最後に提起したいと思います。  県においては、ぜひとも、知的財産の構築と保護のため日々頑張っている人々の努力を水泡に帰さないよう行政サイドから支援し、守っていただきたい。そのことを切にお願い申し上げまして、一切の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(鈴木清 君)この際、午後1時まで休憩いたします         午前11時15分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(小林東一郎 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  堀場秀孝議員。       〔11番堀場秀孝君登壇〕 ◆11番(堀場秀孝 君)順次質問します。  県企業局では、千曲川の表流水を取水し、上田市諏訪形浄水場で浄水処理を行い、上田市の塩田地域、坂城町、千曲市の一部及び長野市南部へ給水しています。そのため、上田市においては、県企業局が給水している県営水道エリアと上田市が給水している上田市営水道エリアが併存しており、二つの事業体が水道事業を運営しています。  双方の事業体を比較してみますと、水源については、取水箇所はそれぞれ異なるものの河川の表流水を使用し、また、浄水方法については、急速ろ過方式、緩速ろ過方式など地域の実情に応じた浄水方法を採用し、給水しています。  昨今、ゲリラ降雨や猛暑などの異常気象により河川水の水質にも影響が生じる可能性があるものと考えます。県企業局は、上田市塩田地域や下流地域への給水に当たり、塩田地域住民や下流地域住民に安心して県営水道水を飲んでもらうためどのような取り組みをしているのか、公営企業管理者に伺います。  また、昨年は、大阪北部地震や北海道胆振東部地震など全国各地で地震による断水が発生し、住民生活への影響が出ています。このような大規模な自然災害に備え、安定的に水道水を供給するため、県企業局はどのような対策を進めているのか。また、災害が発生した場合、地域住民への対応は地元市町村が中心となりますが、上田市との連携も含め、公営企業管理者に伺います。       〔公営企業管理者小林透君登壇〕 ◎公営企業管理者(小林透 君)上田市塩田地域等における安全、安心な水道水の安定供給に向けた取り組みについての御質問にお答えをいたします。  企業局では、まず、ハード面の取り組みといたしまして、諏訪形浄水場浄水池の増設工事を本年9月の竣工に向けて進め、完成後は従来の約1.4倍の貯水量を確保することとしているほか、災害時の応急給水拠点となる「安心の蛇口」についても、来年度、上田市内の中学校に1カ所設置する予定でございます。  次に、ソフト面では、灯油等で汚染された原水が流入することがないよう、取水口付近に設置した水中油分計を24時間体制で監視することに加え、水質検査においては、水道法で定められた54項目に上乗せ、千曲川原水の水質に応じた36項目を独自に実施し、その結果を毎月ホームページで公表するとともに、厚生労働省等が行っている外部精度管理調査に担当者が参加することなど、職員の技術力の向上にも取り組んでおります。  また、地元上田市などと連携した取り組みといたしましては、災害時等に備えて整備した上田市の給水区域との緊急連絡管による給水訓練を市と合同で毎年実施しているほか、昨年度、上田市を含め関係市町と締結した災害時連携協定を踏まえて、今後も定期的に合同防災訓練を実施し、被災情報の収集共有や、応急給水応援体制の確認を行うこととしてございます。  これらの取り組みに加えまして、諏訪形浄水場では、毎年度小学生の社会見学を受け入れてございますが、今年度は、上田市を初め周辺市町村から18校、1,149名の皆様に訪れていただいているほか、一般の利用者の方々を対象とした施設見学会を開催することなどによりまして、今後も地域の皆様などに浄水場の仕組みや安全、安心な水道水の安定供給に向けた企業局の取り組みを御理解いただくよう努めてまいります。  以上でございます。       〔11番堀場秀孝君登壇〕 ◆11番(堀場秀孝 君)答弁いただきました。  水道法の基準でというお話がありました。急速ろ過方式というのは、やはり薬品で水を浄化、きれいにするというイメージがどうしても強いものと聞いています。緩速ろ過方式というのは、自然にろ過をした水というイメージがやはり住民にはまだあると思います。地域住民が安心して県営水道を飲めるように、引き続き安全な水を供給していただきますよう要望します。  次に、中学、高校の部活動の活動方針についてお聞きします。  先般、県教育委員会では、平成25年度に策定した中学生期のスポーツ活動指針を改定し、また同時に、高等学校の運動部活動方針を新たに作成し、公表しました。生徒の主体的、自主的な参加により学校教育の一環として行われる運動部活動は、私も中学校、高等学校と運動部にいましたが、本県のスポーツの発展に大きな役割を果たすとともに、チャレンジ精神や忍耐力を培い人間形成にも資するなど、教育的な意義が極めて高いものと考えます。  このたび作成した中学、高校の運動部活動の方針は、少子化が進み、生徒を取り巻く環境が変化する中で、運動部活動のあり方を見直し、将来にわたり持続可能な活動とすることを目指したものと伺っています。その趣旨には賛同するところであり、大いに期待しております。  しかし、この中で示された活動基準については、教員や保護者からさまざまな声が上がっています。例えば、週2日以上の休養日を設けることや、活動時間も、中学では平日で2時間程度、休業日で3時間程度、高校では平日、休業日とも3時間程度などの基準が示されました。  そこで、3点、教育長に伺います。  1、休業日の設定や活動時間は、本来学校長が判断することが望ましいと考えますが、今回、県の方針として一律に基準を定めた理由は何か。
     2、運動部の顧問は、中学も高校も担当競技の経験のない教員が指導しているケースも多いと聞いています。2027年の国民体育大会を控え、ジュニア期の競技力を高めるためにも、競技経験のある者を長野県の教員として採用してはいかがですか。  3、運動部以外に、文化部でも少子化の進展や教員の負担の問題など共通する課題があると考えますが、文化部の活動については今後どのような方針で取り組んでいくのか。  以上、教育長に伺います。  また、私立の中学や高校については、独自の建学の精神によりそれぞれ特色のある教育が行われているところでありますが、運動部の活動方針についてはどのように扱われているのか。また、文化部の扱いはどのようになるのか。県民文化部長に伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、運動部の活動基準についてのお尋ねでございます。  このたび策定しました運動部の活動方針等は、直接的にはスポーツ庁から都道府県単位での策定が要請されたことによるものでありますけれども、県教育委員会といたしましても、少子化など現行の課題に対し具体的な取り組み方針を明確に示して持続可能な活動へ転換していく必要があるということから策定してきたものであります。このうち、休養日の設定や活動時間については、ジュニア期におけるスポーツ活動が1週間で16時間を超えるとスポーツ障害や外傷の発生リスクが高まるというスポーツ医・科学の国際的な研究結果を踏まえたもので、これは、全ての中学生や高校生に共通する指標であります。心身の成長過程にある中学生、高校生にとっての運動部活動が、スポーツ障害を防止し、生涯にわたって豊かなスポーツライフを実現する資質や能力を育む基盤となるよう、全ての関係者と理念を共有しながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。  次に、競技経験のある指導者の教員採用についてのお尋ねであります。  全国では、本年度、32の都道府県でスポーツや芸術分野での技能や実績による教員の特別選考が行われたところでございます。2027年の国体及び大会を見据えた指導者の確保は重要な課題であり、今後、特別選考を行っている各県の状況をよく研究しながら本県としての方向性を検討してまいりたいというふうに考えております。  文化部活動の今後の方針についてのお尋ねであります。  文化部活動は幅広い分野で活動が行われておりまして、練習時間が長時間に及ぶ部もあれば、週1日か2日程度の短時間の活動の部もあるなど、その対応はさまざまであります。  昨年12月に文化庁より「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」が示され、各都道府県で活動時間及び休養日の設定など適切な文化部活動の取り組みについて示した「文化部活動の在り方に関する方針」の策定が求められたところであります。本県でも、平成31年度中に策定する予定としております。  当面、文化部活動の運営に当たりましては、県の中学生期のスポーツ活動指針及び高等学校の運動部活動方針を踏まえた活動となるよう通知をしたところであります。今後も、生涯にわたり芸術文化等の活動に親しむ基盤となる文化部の活動が、生徒にとって多様な学びを経験し、みずからの興味、関心を深く追求する機会となるよう努めてまいりたいというふうに考えております。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)私立の中学、高校における運動部等の活動方針についての御質問でございます。  スポーツ庁が示しました「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」では、私立の中学校及び高等学校の設置者に対し運動部の活動方針を策定するよう求めており、策定に際しては、県の運動部の活動方針を参考にすることというふうにされております。このほど策定されました県教育委員会の運動部の活動方針等は、既に私立学校の設置者へお伝えし、それぞれの学校の方針の策定を要請しているところでございます。また、文化部につきましても、運動部と同様、今後学校ごとに文化部の活動方針を策定することが求められております。  部活動は、体力、技術の向上とスポーツ活動の発展、そして芸術文化活動に親しむ基礎を形成することを目指しており、学校における働き方改革や児童生徒の健全な発達を目指す観点から、県教育委員会と連携しながら私立学校に対する情報提供などを通じて方針策定の支援に努めてまいります。       〔11番堀場秀孝君登壇〕 ◆11番(堀場秀孝 君)答弁いただきました。  eスポーツという名前のものが今度国体に入るようになります。そのことを含めながら、私立、公立の生徒が区別のないような方向をお願いしたいと思います。  医・科学的見地とありました。でも、スポーツ、運動をしたいという生徒には、思いっきりしていただきたいと考えるところであります。  次に、高校入学にかかる制度について教育長に伺います。  第3次長野県教育振興基本計画では、「「学び」の力で未来を拓き、夢を実現する人づくり」を基本理念に据え、信州に根差した世界に通じる人材の育成などに重きを置いて、みずから未来を切り開く創造性を育む信州ならではの学びの実践や、誰もが生涯学び続け、良質で多様な学びの機会を享受できる環境づくりに取り組んでおられます。  本定例会の教育長の答弁でも、地域と連携した高校づくり、地域の産業を担う人材育成等の答弁が幾度となくなされました。地域力や学びの力を強化するためにも、地域と学校の連携や生徒の自主性を尊重した高校づくりが必要だと考えます。意欲を持った生徒が入学し、その高校で活躍し、卒業後は地元を支えていく人として生活してもらうには、高校入学に係る負担が少なく、ほぼ確実に地元の公立高校に進学できる制度とすることが重要だと考えます。  その制度によって、生徒が比較的ゆとりのある中学校生活を送ることができ、自主性を育む教育ができ、かつ地域を支える人材育成につながると考えます。長野県教育振興基本計画の基本理念である「「学び」の力で未来を拓き、夢を実現する人づくり」につながるものと考えます。長野県らしい中高の接続のあり方を検討すべきと考えますが、教育長、いかがですか。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)中学、高校の接続のあり方についてのお尋ねでございます。  アメリカのように高校まで義務教育であれば、地域の高校にそのまま進学するということになりますので入試は不要となりますけれども、日本では、義務教育ではなく、自分が行きたい高校を自由に選択できることとなっており、志願者が競合し、学校のキャパシティーを超えることが起こり得る以上、入学者選抜制度は必要とされているということだと思っております。  昨年3月に出されました長野県公立高等学校入学者選抜に関する報告書を踏まえまして、現在、新たな入学者選抜制度の検討を進めております。その中では、受検者にとって公平かつ適正な制度であることを前提に、学力のみならず、中学校での活動における多様な資質、能力を適切に評価できる制度を目指しているところでございます。そうした自主性を持った生徒が、希望する高校に入学し、活躍できるような制度にしてまいりたいというふうに考えております。       〔11番堀場秀孝君登壇〕 ◆11番(堀場秀孝 君)答弁いただきました。  私が考えたのは、高校再編にも、地域に根差した人材育成にもつながるような気がしたからでございます。総合学科の設立も、南信地域に早くできれば、それによって学びたい人、家族が全国から長野県に移住してくるのではないかと考えました。  いずれにしましても、人材教育や、地域高校と地元の人が一緒になり、地域が発展していきまように、さらなる取り組みを要望いたしまして、質問を終わります。 ○副議長(小林東一郎 君)次に、高村京子議員。       〔38番高村京子君登壇〕 ◆38番(高村京子 君)県立高校における養護教諭の配置について伺います。  生徒数801名以上の大規模校には、標準法で2名の養護教諭の配置が必要とされています。県の対象校15校のうち14校では養護教諭1名配置で、法定基準が守られておらず、養護教諭は1人で激務に追われていると思います。上小地域では、県立高校6校のうち、法定で2名配置が必要とされるべき4校が1人配置のままです。私は、上田高校を訪問して伺いました。生徒約900名の心身の健康管理、さらに、教職員約100人に対しても健康管理の義務があり、養護教諭は超多忙の日々です。  昨年10月に、県高校教職員組合婦人部が切実な養護教諭124名の思いを「私たちの声を聞いてください」にまとめています。休憩時間や昼食時間には生徒が押しかけ、トイレさえ行けない。昼食がとれない。妊娠時期には嘔吐しながら激務をこなし、切迫流産や早産、流産してしまったなど、みずからの健康や母体の安全も守れない過酷な実態が報告されています。  特に、4月から6月の健診時期は、連絡調整や準備が重なり、とても1人ではこなし切れない。ふだんでも、さまざまな体調不良を訴える子供たちに十分寄り添えない。事故や急病者の対応など、苦悩の中に置かれている現実を訴えています。  教育長、なぜこのような過酷な1人配置を続けてきたのでしょうか。昨年10月、高校の組合交渉で養護教諭の切実な声が県教育委員会に届けられていますが、どのように受けとめておられますか。原山教育長、さきの小山県議の質問に、緊急性があるところから非正規配置を検討すると答弁されました。一歩前進ではありますが、やはり全ての大規模校に法定の正規の2名配置が緊急に必要と考えます。生徒数800名以下の高校でも、年度当初の多忙期には妊娠している教諭への負担は大変重いです。養護教諭の母体保護のために何らかの支援加配体制が必要と考えます。教育長に伺います。  次に、国民健康保険制度についてです。  命と健康を守る国民皆保険制度として機能しなければなりません。今から30年前は、加入者の7割が自営業者や農林水産業者でしたが、現在は、年金生活の高齢者と非正規労働者で7割以上を占めています。県の国保世帯は、年収200万円以下が78%を占め、100万円以下が半分です。このような中で、国保税が払えない世帯は全加入世帯約30万世帯の1割以上、3万数千世帯にもなっています。高い保険料の引き下げについては、山口県議が代表質問で求めました。  私は、保険証が手元に渡されない未交付世帯や、資格証しか渡されず医療機関の窓口で全額支払では、医療にかかれず、病気が進行して手おくれになる事態が起きる可能性があり、国保料の徴収では、家庭の実情など丁寧な聞き取りをするなど対応を求めてきたところです。  しかし、市町村及び長野県地方税滞納整理機構での強制徴収や財産差し押さえがなされており、暮らしも健康も守れない人がいることを危惧しております。現在、地方税滞納整理機構では、国民健康保険料の滞納者に対してどのような対応をされているでしょうか。総務部長に伺います。  国民健康保険料の滞納の実態と市町村窓口での短期保険証交付等の状況について、さらに、滞納世帯に対する対応を改善するためにどのようなお取り組みをされてきたでしょうか。社会保障制度の土台である国民皆保険制度は、訪問活動などの丁寧な対応が必要と考えます。国民健康保険法第44条の適用など、健康と暮らしを守る立場での福祉的対応を強めていただきたいのですが、いかがでしょうか。この2点、健康福祉部長に伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、養護教諭の声の受けとめについてというお尋ねでございます。  小山議員にお答えしましたとおり、さまざまな悩みを抱え、支援を要する生徒が年々ふえてきており、そうした生徒への対応が求められているところであります。養護教諭の業務を多忙化している現状は現場からお聞きしておりますし、昨年10月には職員団体からも養護教諭に関する御意見もいただいたところでございます。  養護教諭を取り巻く環境は、学校の規模や生徒の状況、学校の課題等によりさまざまであることから、さらに丁寧な状況の聞き取りを実施しまして、実態の把握に努め、その上で、現在必要性の高い学校への対応として、非常勤の養護教諭を配置しているところでありますけれども、それに加えまして、緊急性の高い学校へは、次年度速やかに非常勤の養護教諭を配置してまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから、養護教諭の母体保護についてでありますが、生徒、あるいは職員の健康診断が4月から6月にかけて集中することから、一時的に養護教諭に負担がかかっていることは承知しております。この時期に妊娠している養護教諭に対しましては、母体保護の観点から何らかの負担軽減措置を検討してまいりたいというふうに考えております。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)国民保険料の滞納者に対する地方税滞納整理機構の対応についてのお尋ねであります。  市町村では、国民保険料、税を滞納している方のうち納付の約束を守られない方、それから資産や収入があるにもかかわらず納税されない方などで大口、あるいは処理困難な案件について、地方税滞納整理機構に案件を移管しております。移管後は、滞納整理機構から事案引受通知書兼納税催告書を発送し、納税相談等があればお話をお聞きしております。その後、財産調査を行った上で、資産や収入がある方には法令に基づき適切に差し押さえ等の措置を行っております。  一方、生活の維持や事業の継続に影響を与えるような財産の差し押さえにつきましては、個々の滞納者の事情を十分に考慮をした上で、滞納処分の執行停止相当等の対応を行っているところであります。  以上であります。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)国民健康保険につきまして3点御質問をいただきました。  まず、市町村国保の滞納状況についてでございますが、本県の平成29年6月1日現在の滞納世帯数は3万4,066世帯、全世帯の11.3%で、全国で12番目に少ない状況であります。滞納額は約79億7,000万円で、前年度と比較し約7億2,000万円の減少となっております。  短期被保険者証の交付状況についてでございますが、市町村は滞納者の方々との納付相談の機会等を確保するため、短期被保険者証を交付しております。この交付の数につきましては、66市町村で6,966世帯に交付をしており、全国で6番目に少ない状況となっております。  短期被保険者証の未交付の状況についてでございますが、市町村が短期被保険者証を交付する際に、世帯主の方がすぐに受け取りに来ない場合には、市町村が一時的に保管するという対応をとっております。  なお、個々の市町村の状況については把握しておりません。  次に、国保料滞納者への対応に関する現状認識と改善の取り組みについてでございます。  市町村においては、国民健康保険料の滞納者に対して、窓口や戸別訪問等による納付相談を行うなど、個々の状況を把握し、その上で分割納付や保険料の減免についても説明をさせていただき対応しているものと考えています。  県としましては、国保の滞納者の方々に対する対応については、国からの通知に基づいて、失業等による生活困窮者等に対しては、短期被保険者証や資格証明書の交付に際して、単に基準に沿った機械的、一律的な対応を行わないよう市町村には機会を捉えて助言をしてきております。  また、国民健康保険法第44条の医療機関の窓口負担金の減免制度についても国保加入者に広く周知するよう市町村に要請をしてきております。  最後に、国民健康保険の健康と暮らしを守る立場での対応についてのお尋ねでございます。  市町村における国民健康保険法第44条の規定による医療機関窓口での一部負担金の減免については、各市町村がその要件を定め、滞納者の方々との窓口や訪問等による納付相談を通じて個々の状況を把握し、被保険者の申請に基づき実施をしております。  県としましては、国民健康保険制度は加入者の皆様方で保険料を負担し合う中で成り立っている制度でありますので、所得があるにもかかわらず納付しない方については、法令に基づく必要な手続に従い、滞納の解消に取り組む必要があると考えております。  一方で、国保制度では、年金生活者や非正規雇用者など、低所得の加入者が増加する等の構造的な問題がありますので、失業等により収入が著しく減少した場合には、国保法第44条の規定により、医療機関での窓口負担の減免も必要と考えますので、引き続き市町村に助言をしてまいります。  また、医療機関での窓口負担金の減免制度については、市町村に対して広く周知するよう依頼するほか、生活就労支援センターでの生活困窮者への支援においても、減免制度の活用を検討するよう周知してまいります。  4月に開催する国保主幹課長会議等、こうした機会を活用しまして、県としての基本的な考え方をしっかりと説明してまいります。  以上でございます。       〔38番高村京子君登壇〕 ◆38番(高村京子 君)教育長に、非正規の方の、例えば年間100時間ということでは、やはり過酷な1人配置の養護教諭の先生の過重負担は解消されません。やはり研修に出たり、また、急病者が出た場合には保健業務がストップするということになります。学校の安全も守れませんので、ぜひ2名の正規配置を早急に検討していただきたいと思います。  それから、関総務部長いただきましたけれども、やはりこの数年、地方税滞納整理機構に回された国保滞納割合は、平成29年5月が23.6%でしたけれども、昨年の6月は32%と国保滞納世帯がふえているんですね。やはりこのことを私は危惧しているわけでございます。  それから、健康福祉部長お答えいただきましたけれども、市町村窓口の実態をやはり私は県として、大きな健康保険制度をあずかる県として、この対応の実態をもう少し細やかに把握していただきたいと思います。保険協会が把握しておりますけれども、県全体の未交付、これは約2,000近くあるように思います。短期保険証も問題ですので、ぜひともここの把握を県としてもお願いしたいと思います。  私は、県国保運営協議会を傍聴させていただいていますが、国保料滞納者に対する配慮がある議論はなされていないと感じています。強制的な資産の没収は人権問題です。命を守るパスポートは全ての加入者のもとに渡すことを基本として、福祉制度として対応をしていただきたいと重ねて求めておきます。  次に、医師確保問題について伺います。  厚生労働省は、医師偏在指標で、長野県を医師を確保できていない全国38番目の医師少数県としました。特に、木曽、上小、上伊那、北信地域は全国3分の1以下の少数地域で、医師確保は喫緊の課題です。県の2次医療圏10圏域の現状と対策を伺います。  中山間地域では、中核病院の診療科が閉鎖し、病院機能が縮小、病院から診療所に転換したなどの事例が起きています。介護認定や介護施設、訪問診療にも影響が及んでいます。高い健康保険料を払いながらも医療はかかりにくい状況となっています。県には地域医療人材拠点病院支援事業として御努力いただいておりますが、実績と今後の見込みはどうでしょうか。県は、都市部と地域の偏在として対応しようとしていますが、医師少数区域と指定されていない医療圏を含め、全体として医師不足との認識を持つべきだと思います。  昨年の3月に長野県が作成した信州保健医療総合計画では、全県で746人の医師募集としています。長野地域では168人、医師数が断トツに多いとされる松本地域でも213名の医師を募集しています。県内都市部の中核的な病院も医師の募集をしており、都市部に医師が集中し偏在しているとの認識は持つべきではないと考えますが、いかがでしょうか。  来年度、県の責任において医師確保計画をつくることとなり、県の役割と責任は一層大きくなります。働き方改革で厚労省は医師の時間外労働について、過労死ラインとされる時間外労働、月80時間の2倍にもなる年間1,860時間まで認める方向です。とんでもないことです。命を守る医師こそ心身の健康を守るための余裕が必要です。国際比較では、100床当たり医師数は、イギリス100名、アメリカ85名、ドイツ、フランスでは49名です。日本は17名と先進国の3分の1から5分の1と医師数は余りにも少ないです。医師不足の抜本的解決のためには、国に対し一層の医師要請と確保、地域医療への定着、大病院に集中せざるを得ない研修医制度の見直しを求める必要があると考えます。  以上、健康福祉部長に伺います。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)医師確保問題について3点御質問をいただきました。  まず、医師確保の現状と当面の対策についてでございます。  今般、厚生労働省が示した医師偏在指標の暫定値によりますと、長野県は全国38位で医師少数県に位置づけられるとされております。県内の2次医療圏10圏域の現状は、松本、佐久、諏訪の各医療圏が医師多数区域、北信、上伊那、上小、木曽医療圏が医師少数区域、その他の長野、大北、飯伊医療圏がそのいずれにも属さない区域に当たるとされております。  県におきましては、この指標をもとに確保すべき医師数の目標値と目標の達成に向けた具体的な施策を定める医師確保計画を平成31年度に策定いたします。計画策定までの当面の対策といたしましては、地域医療人材拠点病院支援事業による小規模病院等への医師派遣やドクターバンク事業、医学生修学資金貸与事業等の医師確保対策を実施するとともに、医師の働きやすい環境整備やタスクシフティングの推進などを支援することにより医師の負担軽減と離職防止に努めてまいります。平成32年度以降につきましては、来年度策定する医師確保計画に基づいた施策によりまして、地域の医療機関への支援をしっかり行ってまいります。  次に、地域医療人材拠点病院支援事業の実績と今後の見込みについてでございます。  地域の中核的な病院から医師不足が深刻な小規模な病院、診療所への医師派遣を促進する地域医療人材拠点病院支援事業を本年度から実施しており、今年度の実績は、現在まだ年度途中でございますのであくまで計画ベースでございますが、拠点病院に指定した九つの病院から延べ29の小規模病院等に対し、2,656人日の医師派遣による診療支援を行っていく計画となっております。  来年度は、拠点病院を11病院にふやすとともに、公立、公的医療機関としていた医師派遣を受ける小規模病院等の範囲を民間にも拡大することとしており、派遣日数についても600人日程度の増加を見込んでおります。  県全体としては、今般示されました医師偏在指標の暫定値により全国38位となり、医師少数県と位置づけられておりますが、医療機関が多く所在する都市部の中核的な病院につきましても、今般の指標において診療科については評価されていないことのほか、他の医療機関への支援機能を考えると現時点では必ずしも充足していると判断できない状況にあると認識をしております。  最後に、医師不足の抜本的な解決に向けた見直しについてでございます。  県では、これまで、医師の不足や偏在の解消に向けた実効性のある対策の構築を国に対して求めてきたところですが、本年度も診療報酬による誘導策や診療支援に対する財政的なインセンティブを付与する仕組みづくりなどについて要望を行っております。こうした要望を受けて厚労省、総務省においては、来年度当県が実施した拠点病院類似の制度について、公設措置をするという新しい支援策を現在検討していると聞いております。  また、全国知事会においても、医学部地域枠のあり方及び医療従事者の働き方改革に係る検討を踏まえた偏在解消など、地域医療を確保する上で必要な施策の強力な推進などについて要望書を提出しております。県としましては、地域医療を確保していく上で、医師の養成と確保、偏在解消に向けた効果的な施策を講じていくことが何より重要であることから、国への要望活動や阿部知事が全国知事会の代表として参画している国の医道審議会医師分科会医師専門研修部会の場等を通じまして、引き続き国に対して地方の意見をしっかりと伝えてまいります。  以上でございます。       〔38番高村京子君登壇〕 ◆38番(高村京子 君)てんかん医療について伺います。  てんかんは、100人に1人が発症する病気とも言われています。まだ十分に原因についてわかっていません。一番の心配は、発作が起きれば意識を失うなどけがや命の危険が常にあり、本人も家族も毎日が不安の中にあります。就学、就労、そして自動車運転ができないなど、社会生活でのさまざまなハンディがあります。てんかんに対する医療機関の県内の実態と国が充実を求めているてんかん地域診療連携体制整備事業についてどのように取り組まれるのか伺います。さらに、医療体制だけでなく、てんかん患者がその地域でその人らしく生活できるような相談支援が必要だと思います。大月健康福祉部長に伺います。  続いて、知事は障がい者差別禁止条例を検討していくと表明されました。県は、平成29年9月に障がいのある方の実態調査を行っています。そのアンケートで、今後行政に力を入れてほしいことは明らかです。医療費の負担軽減が41.1%で一番多く、この部分は昨日和田県議が強く実現を求めました。2番目が、障がいのある方に対する理解を深めるための啓発、25.5%、3番が、相談支援体制の充実、24.7%となっています。このようなアンケート結果をどのように受けとめて生かしていくのでしょうか。
     また、平成24年11月に、長野県として、「共生社会の実現を目指して」とした報告書をまとめています。障がいのある人もない人も共に生きる社会を目指す研究会が精力的に取り組み、まとめたものです。この報告書も大いに参考にしていただきたいと思います。障がいをお持ちの方々への理解を深めて…… ○副議長(小林東一郎 君)高村京子議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過しましたので、発言を終了願います。 ◆38番(高村京子 君)支援の充実に向けて阿部知事の御所見を伺って、私の質問を終わります。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)てんかん対策について2点御質問をいただきました。  まず、てんかんに対応する医療機関の実態、てんかん地域診療連携体制整備事業についてのお尋ねでございます。  平成29年度に実施した県の医療機能調査によりますと、県内でてんかんに関する医療を提供している医療機関は20病院、25診療所となっております。てんかん医療は、精神科、神経内科、脳神経外科、小児科などさまざまな診療科で担われております。  昨年4月には信州大学医学部附属病院と長野赤十字病院でてんかん外来が開設されるなど、診療体制の充実に向けた動きがある一方、より専門的な医療を求めて県外の医療機関を受診する方もいらっしゃいます。このような状況を踏まえ、本県におけるてんかん対策や診療の課題、あり方等について整理するため、県では、来年度、てんかん支援体制検討委員会を設置すべく予算計上をしております。  議員から御指摘のありました国のてんかん地域診療連携体制整備事業を活用したてんかん拠点機関の指定についてもこの場で検討することとしております。  次に、てんかん患者の相談支援についてでございます。  てんかん患者の皆様は、症状の特性から、さまざまな生活上の不安や困難を抱えている場合があると認識しております。現在も、市町村や各圏域の保健福祉事務所、難病相談支援センターなどで御相談をお受けしていますが、議員御指摘のとおり、てんかん患者が地域でその人らしく生活することができるよう、先ほど答弁をいたしましたてんかん支援体制検討委員会においてより身近なところで相談を受けられるような支援のあり方についても検討し、相談支援体制を整備してまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には障がい者支援について御質問いただきました。  まず、実態調査に基づく支援の充実という御質問でございます。  「長野県障がいのある方の実態調査」は、平成30年3月の長野県障がい者プラン2018の策定に当たって実施をいたしたものであります。その結果を反映して、障がいへの理解と権利擁護の推進や地域生活の充実、社会参加の促進、こうしたことを障がい者プランの柱に位置づけさせていただいて取り組みを進めているところでございます。  障がいのある方からの御意見、御要望を踏まえた取り組みとしては、障がい者への理解を促進するためのヘルプマークの普及であったり、緊急時等の相談に対応する地域生活支援拠点の圏域ごとの設置、さらには、農福連携、林福連携によります就労機会の拡大など積極的に取り組んでいるところでございます。  また、相談体制の強化、検討会の立ち上げという御質問でございます。  相談体制の強化につきましては、全国に先駆けて平成16年に10圏域全てに障がい者総合支援センターを設置いたしております。各専門分野の相談員等がワンストップで相談に応じ、必要な支援につなげているところでございます。  また、地域において緊急時の受け入れ対応など適切なサービスにつなげる機能等を備えた地域生活支援拠点等の整備充実を図っているところでございます。  また、検討会の立ち上げという御提案がございましたけれども、既に障がいのある方や支援者などで構成されます障がい者施策推進協議会や障がい者団体で構成される障がい者社会参加推進協議会におきまして障がいのある方や関係者の声をお伺いしてきております。これからも障がいのある方、そして関係者の皆様の声を十分お伺いし、思いにしっかり寄り添いながら障がい者施策の充実を図ってまいりたいと考えております。  以上です。 ○副議長(小林東一郎 君)次に、小川修一議員。       〔17番小川修一君登壇〕 ◆17番(小川修一 君)施設から自立していく若者ができる限り一般家庭出身の若者と公平なスタートラインに立って社会に出て自立していけるよう支援の充実を図ることは、置かれた環境にかかわらず、自分の未来を切り開ける社会づくりのために必要です。  昨年11月定例会の一般質問で、私は、支援を必要としている児童養護施設退所者の生活や就労についての相談体制等について県の取り組み状況はどうなっているかという質問をいたしました。  平成31年度当初予算案では、新規事業として、児童養護施設退所者へのアフターケアを実施する施設への支援制度が計上されています。その説明には、進学や就職による退所者に対して 施設が継続的にサポートできる制度を創設するとありますが、具体的にはアフターケアにどのように取り組んでいくのでしょうか。県民文化部長に伺います。  ある児童養護施設では、四、五年前から障害児が急増しているとお聞きしています。そこでは、定員の約3分の1が手帳を所持している児童で、ほぼマンツーマンの支援が必要となり、施設側の負担が非常に大きいといいます。児童虐待による児童相談所の一時保護では、障害児の場合、施設に直接連れてくるという現実もあるそうです。こうした施設の負担が増大していく状況の中、児童養護施設の中には、自治体や保護者等地域の要望を受けて、これまでの本来業務のほかにさらに児童発達支援や放課後等デイサービス、そして里親の支援に取り組むところがあります。  さらには、厚生労働省により平成29年4月に示された新しい社会的養育ビジョンでは、ビジョンの実現に向けた工程の最初に、市区町村の子供家庭支援体制の構築が提示されていますが、市区町村の子供家庭総合支援拠点の全国展開、子供のニーズにあったソーシャルワークをできる体制の確保、専門人材確保などが課題となる中、本県でも市町村の子供家庭総合支援拠点と子供のニーズに合ったソーシャルワークをできる体制を確保していくため、児童家庭支援センターの認可を目指す児童養護施設もあります。このことは、児童発達支援、デイサービスや里親支援との相互連携がより一層深まるなど、地元や近隣の市町村からも大いに期待されています。社会の変化とともに求められてきているこうした児童養護施設の多機能化に積極的に取り組もうとする施設がある中で、そうした方向性について県はどのように考え、支援をしていくのでしょうか。県民文化部長に伺います。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)児童養護施設退所者へのアフターケアについての御質問でございます。  過去3年間に高校卒業により県内の児童養護施設を退所し進学や就職をした計97名について見ますと、退学をした方が3名、退職した方が14名、また、在学、就労を継続しているものの、職場での対人関係や親子・親族関係等に大きな問題を抱えている方は25名ということで、約半数の方が退所後の自立という点で困難な状況にございます。  退所後の継続的な支援については、これまで経費面でも施設の自主的対応に頼ってきたというのが実情で、その状態の改善とアフターケアの充実が求められております。  退所者の抱える問題解決のための支援については、施設における生活指導などを通して、退所者一人一人の生育歴や性格等を十分に把握し、既に信頼関係が構築されている児童養護施設の職員が直接相談に当たることが望ましいという考え方から、施設関係者との意見交換等を経て、平成31年度、新たに県が施設に対して必要な経費を助成する児童養護施設退所者アフターケア促進事業を予定しております。  内容といたしましては、一つには、自立生活のための住居や就業先を施設職員が訪問し、生活や就労状況を把握した上で、個々の退所者が抱える複雑な事情や背景を十分に踏まえまして退所者に寄り添った助言をする。また、退所者が悩みや問題を抱えている場合、就学、就労先のほか、生活支援や就労支援等を行う関係機関に対して退所者が困難を抱えている状況や生育環境等を丁寧に伝え、確実な支援につなげるなどの対応をいたします。これに要する経費に対して助成を行ってまいります。  施設によるアフターケアの充実を図ることを通じ、退所後の自立生活を見据えた入所中からの計画的支援、そして退所後の継続的支援までを確実に行うことにより退所者の自立支援を促してまいりたいというふうに考えております。  次に、児童養護施設の多機能化に係る支援等についてでございます。  県内の児童養護施設は、長年にわたり社会的養護が必要な児童の養育に大きな役割を果たしてきており、養育の専門性に加え、地域からの信頼も蓄積されてきております。平成28年の改正児童福祉法に規定された家庭養育優先原則のもとで、社会的養護が必要な児童の養育を推進していくに当たっても、こうした施設の持つ有形無形の資産が十分に活用されていくことが期待されており、例えば、本年度、うえだみなみ乳児院が、県からの受託事業として妊娠期から里親養育に至るまでの包括的里親支援及び予期せぬ妊娠に悩む妊婦等の支援に取り組んでいるほか、松代福祉寮が一時保護専用の施設を整備し本年4月から運用を開始するなど、多機能化に取り組んでおります。  このように、各施設が有する専門性と地域からの信頼をもとにして地域の社会的養育を支える専門的な拠点となることにつながるよう、活用可能な財政的支援や助言等を行うとともに、来年度中に行う長野県家庭的養護推進計画の全面的な改定にあわせまして、児童福祉施設、里親会に加え、社会的養護の当事者である子供たちの意見も踏まえ、児童養護施設の多機能化、高機能化にかかわる県としての方向性を明らかにしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔17番小川修一君登壇〕 ◆17番(小川修一 君)人材確保を初め、施設の役割、負担は非常に大きく、重いものとなります。施設の多機能化に伴う負担軽減のための支援が求められています。  次に、稲荷山医療福祉センターについてお尋ねいたします。  千曲市に所在する稲荷山医療福祉センターは、障害のある児童の治療と生活をする専門病院です。県下で初めての肢体不自由児施設として開設された諏訪市の私立信濃整肢療護園の分園として昭和39年7月に更埴市(現千曲市)で信濃整肢療護園分園稲荷山療育園が開園したところから始まっています。施設を設置運営している社会福祉法人の関係者の方からは、当施設の沿革から見て、事実上、いわば長野県の公設民営施設ともいうべき位置づけで設置運営されてきており、過去の理事会の議事録等で県との深いかかわりを示す記録があるというお話をお聞きしております。  現在、ベッド数80床、うち10床は医療法上の一般病床ですが、社会福祉事業として医療型障害児入所、医療型児童発達支援センター、療養介護、生活介護、短期入所、障害児相談支援、計画相談支援の各事業と、公益事業として整形外科、リハビリテーション科、内科、小児科、精神科、歯科の外来診療を行っている施設です。  障害のある児童が入所し、日常生活の指導及び自立に必要な知識や技能の訓練、支援と治療を行う医療型障害児入所施設としては70人の定員で運営されていて、入園生活では、保育、医療、訓練が受けられ、学齢に達した児童は、施設に隣接している稲荷山養護学校に通いながら教育を受けることもできます。  また、手足の不自由な児童や発達におくれのある児童に、それぞれの専門スタッフ、保育士や看護師、作業療法士、言語聴覚士、理学療法士がかかわり、必要な専門療育を行うことで児童のよりよい発達を支援する定員40人の医療型児童発達支援センターの運営、そして、在宅の重症心身障害児者を対象とした生活介護、ショートステイ、病院としては内科、整形外科、小児科、専門小児科、精神科、リハビリテーション科の外来診療を行っています。  この稲荷山医療福祉センターですが、設置運営している社会福祉法人からは、現在の建物は昭和62年に完成し老朽化が進んでいるということから、施設整備に支援が必要であるとお聞きしています。また、医師を初めとする専門スタッフの確保も重要な課題となっています。  当施設は、入所機能を担うとともに、県内で数少ない障害児医療を受けられる施設であり、幅広い地域から、中には県外からも多くの人が診療やリハビリを受けに来られているなど大変重要な役割を担っています。  そこで伺います。  この稲荷山医療福祉センターについて県はどのように評価しているでしょうか。また、センターは老朽化が進んでおり、施設整備に当たっては県の適切な支援が必要だと思いますが、どう考えているでしょうか。健康福祉部長に伺います。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)稲荷山医療福祉センターについて御質問をいただきました。  まず、稲荷山医療福祉センターの評価についてでございます。  稲荷山医療福祉センターは、県内では県が指定する二つの医療型障害児入所施設の一つであり、障害児が入所して福祉サービスを受けるとともに、県内で数少ない障害児医療を受けることができる東北信地域の中核的な施設であります。  県としましては、稲荷山医療福祉センターは障害児の医療及び障害児の生活、自立支援において専門性の高いサービスを提供していただいている重要な役割を担っている施設と評価をしております。  次に、施設整備への支援についてでございます。  施設整備への支援については、これまでも、県では毎年センターと直接意見交換を行う機会を設け、施設の整備や運営に関する要望などをお聞きしてきております。近年では、平成29年度に自動火災報知設備の整備、医療用ガスの配管工事、非常用発電機整備の3事業に補助をしております。同センターが担う役割の重要性に鑑み、今後とも毎年定例の意見交換の場をしっかりと持つとともに、必要となる施設整備等については、センター側の要望も踏まえ、適切に支援をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔17番小川修一君登壇〕 ◆17番(小川修一 君)今後、私たちは障害者への理解をさらに深めていく必要がありますが、知事を初め理事者の皆様、そして議員の皆様におかれましては、ぜひ稲荷山医療福祉センターの現場を見ていただきたいのです。このことを強く要望して、私の質問を終わります。 ○副議長(小林東一郎 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時3分休憩          ──────────────────         午後2時19分開議 ○議長(鈴木清 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許可します。  中川宏昌議員。       〔18番中川宏昌君登壇〕 ◆18番(中川宏昌 君)風疹対策についてお伺いいたします。  昨年は、風疹患者が急増し、国内において2017年の約31倍まで拡大しております。国立感染症研究所の2月6日の風疹流行に関する緊急情報によれば、県内でも患者が確認されております。風疹というと子供の病気という印象が強いですが、患者の大半は30代から50代の男性です。その理由として、39歳から56歳までの男性は予防接種を受ける機会が一度もなく、抗体保有率が79.6%と他の世代に比べ風疹の免疫を持たない人が大勢いると言われており、この世代への対策が不可欠であります。懸念されることとして、風疹は妊娠20週ぐらいまでの妊婦が感染した場合、生まれてきた赤ちゃんが難聴や白内障、心臓病などの先天性風疹症候群にかかり、深刻な障害が残って死亡するケースがあり、風疹患者が国全体で約1万7,000人に上った2012年から14年には45人が同症候群と診断され、そのうち11人が1歳半までに亡くなっているとのことです。  そのため、現在の風疹拡大を防止するためには、30代から50代の男性に蓄積した感受性者を早急に減少させる必要があり、公衆衛生上の重要性から未然に防ぐことができるよう、厚労省は、新たな風疹対策として、2019年から2021年度末の約3年間かけて39歳から56歳の男性を対象に原則無料で抗体検査、ワクチン接種の実施を決定し、7日に成立した国の18年度第2次補正予算、現在審議中の19年度予算案においても抗体検査強化なとが盛り込まれております。また、厚労省は、2月1日に予防接種法に基づく定期接種の対象にこれらの内容を加える政令改正を行っております。  この状況を踏まえ、県の風疹対策について伺います。  まず、実施主体が市町村の中、抗体検査と予防接種が円滑に実施できるよう、県は調整役としての役割を果たしていかなければなりませんが、関係機関と連携し、具体的にはどのように調整を図っているのかお伺いいたします。  次に、このたびの対象者は39歳から56歳の男性で、働き盛りの世代であり、日中、平日に検査を受けることが難しいと判断されます。休日、夜間の対応や検査率の向上に向けた啓発など関係機関連携の上どのような対応を考えていらっしゃるのかお伺いをいたします。  平成25年度の感染症発生動向調査によれば、報告された風疹患者のうち、推定感染原因、感染経路が職場での感染を原因とした人が70%にも上っており、健康管理の一環としても職場での風疹予防の取り組みが何より重要との指摘もあります。予防接種を受けやすい環境づくりや相談窓口の設置、教育、啓発など職場での健診に向けた対応策について、以上を健康福祉部長にお伺いいたします。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)風疹対策について3点御質問をいただきました。  まず、風疹対策の円滑な実施に向けた関係機関の調整についてでございます。  首都圏等での風疹の流行拡大を受け、昨年12月13日に厚生労働省から追加的対策が示されました。今回の流行の中心になっております風疹の予防接種を受ける公的機会のなかったおおむね39歳から56歳の男性を対象として風疹の抗体検査と予防接種を行うものでございます。3年間かけて実施し、県内では約25万2,000人がこの対象になっております。県では、この対策の実施主体であります市町村を対象とした説明会をことし1月7日、8日に実施したほか、県市長会や県町村会、県医師会等に事業の円滑な実施に向けた協力をお願いしてきたところでございます。  また、事業の実施に当たっては、医療機関以外にも、市町村の特定健診や事業所における健康診断での実施が想定されておりますことから、今後は、各健診機関や経済団体などに協力を求めていくとともに、市町村と医療機関や健診機関との間の検査業務等に係る契約の取りまとめを行うなど円滑な実施に向け市町村を支援してまいりたいと考えております。  次に、検査率の向上に向けた取り組みでございます。  議員御指摘のとおり、対象者の多くが働く世代の男性であり、約25万人にも上ることから、医療機関のみならず、市町村の特定健診や事業所における健康診断の機会を活用して検査が行われることになっております。医療機関における夜間や休日等の対応についても、現在厚生労働省において検討がなされておりますが、これらの詳細が決まり次第市町村の実施体制が整うよう必要な助言や支援を行ってまいります。  また、全ての対象者に市町村から受診券が送付され、周知が図られることになっておりますが、県としても、風疹対策の必要性についてリーフレットやポスター等を活用しながら周知啓発に努め、検査率の向上を図ってまいりたいと考えております。  最後に、職場での健診に向けた対応策についてでございます。  議員御指摘のように、風疹の感染経路として職場は非常に大きなものがございます。今回の対策において予定されている事業所健診における風疹抗体検査や予防接種の実施に当たっては、事業主を初めとする職場の理解や協力が不可欠であることから、県では経済団体などに対して協力を求めていくとともに、事業所等からの相談に対応してまいりたいと考えております。  また、風疹対策は職場での予防の取り組みも重要であることから、国が作成しました「職場における風しん対策ガイドライン」を参考にして、医療機関への受診に対する配慮など予防接種を受けやすい環境づくり、産業医などによる相談体制の確保、従業者に対する研修の機会などを活用した理解の促進などの職場における風疹対策についてさらに周知啓発を図ってまいります。  以上でございます。       〔18番中川宏昌君登壇〕 ◆18番(中川宏昌 君)県内では25万人が対象ということで、全ての方に受診券が発行されると、このような答弁があったところであります。  風疹の感染力ですけれども、インフルエンザの2倍から4倍と言われるほど強い感染力でありまして、風疹が予防できるのは予防接種だけとの認識を強くしていただきまして、市町村連携のもとで対象者が漏れなく健診できるよう細やかな対応を望みたいと思います。  次に、新地方公会計の活用について伺います。  この件につきましてはたびたび一般質問で伺っているところでありますけれども、これまでの地方公共団体の会計は単式簿記であり、その年度の納税額を何に幾ら使ったかという適正な出納が何よりも優先されておりました。現金以外の県有財産や県債等の負債などの情報の蓄積がなく、また、現金以外の情報である減価償却費や退職引当金などの見えにくい情報が会計に計上されず行政サービスに要した総費用の情報が把握しにくい点、ストックとコストの情報が欠如していることが問題点として明らかになったことから、企業会計的手法である発生主義、複式簿記の視点として、県の保有財産の情報を整理し、固定資産台帳の作成や会計処理データを期末に一括して複式仕分けをする統一的な基準による財務書類等の整備が要請されてきたところであり、県においては平成28年度決算分からこの手法で財務諸表の作成と公表がされているところであります。  しかし、統一的な基準による財務書類の作成自体は着実に進んでおりますが、本来の目的である活用までには至っていないと思料されるものであります。この活用については、財務会計的な観点から、県民に適正かつわかりやすい財務情報を公表すること、また、管理会計的な観点から、最小の経費で最大の効果を上げられるよう県における意思決定に役立たせる会計情報を提供するなどが考えられますが、これらの視点を踏まえ、新たな公会計制度における財務諸表の活用について、以下、お伺いしてまいります。  まず、これまでの会計制度での財務書類では、事業別、施設別の行政コスト計算書を作成することが困難でありましたが、固定資産台帳の整備や複式簿記の導入による財務書類の機能が従来から向上していることから、適切な施設の管理や更新、各行政分野における効率的、効果的な財源配分などの分析が可能になったと考えられます。  また、統一的な会計基準が整備されたことによって地方公共団体間の比較が可能であることから、行政の効率性、弾力性などの視点から財務分析を行うとともに、県民に対して本県の財務状況をさらにわかりやすく説明することも可能であると判断されるところであります。  県のホームページ等を参照しても、財務諸表の公表のみで、それらを察することができませんでした。新財務諸表を活用しての予算編成や、県民に対してのわかりやすい財務諸表の開示についてどのように取り組んできたのか、また、活用がまだ不十分と判断される場合、今後の具体的な活用方法を示していただきたいと思います。  次に、公共インフラや公共施設の老朽化とその更新費用が注視される昨今においては、新たな地方公会計の導入によって資産の取得価格等に対する減価償却累計額の割合を示す資産老朽化比率や将来の施設更新額の把握が可能となったことから、県有施設における老朽化対策という課題を数字的に見える化することによってシミュレーションを行えると判断いたします。老朽化対策の優先度を検討し、全庁的な県有施設のマネジメントにおいて財務諸表を活用し、どのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。  また、新公会計により、県民1人当たりの貸借対照表と行政コスト計算書など県民1人に置きかえての新たな財務諸表も公表しております。この指標の活用により、将来世代に残る資産はどれくらいあるのか、現世代、将来世代の負担はどれくらいなのか、行政サービスが効率的に行われているか、また、持続的に行っていけるかなどの視点で分析できると考えます。 これらの視点により、県財政をどのように分析したのか見解を伺うとともに、今後の財政運営にどう生かしていくのか。以上を総務部長にお伺いいたします。
          〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)新地方公会計制度による財務諸表の公表と活用についてのお尋ねであります。  平成27年に総務省が示しました統一的な基準による財務諸表については、全国で39の道府県が統一的な基準で作成したところであり、その活用につきましてはまだ緒についた段階であります。本県では、平成28年度分について昨年度末に初めて公表したところですが、固定資産台帳を整備したことに伴い、資産の状況をより的確に県民の皆様にお示しすることができたものと考えております。  また、公表に当たりましては、県が保有する資産や負債、経常的な行政コストの状況を円グラフを用いて視覚的にあらわしており、県民1人当たりに換算するなど県民の皆様にわかりやすいものとなるよう工夫したところであります。今後、他の自治体の取り組みも参考にしながら施設の老朽度合いを示す資産老朽化比率などの指標を公表するなど、さらに工夫を重ねてまいりたいと考えております。  予算編成や資産管理などへの新財務諸表の活用につきましては、現在、総務省が地方公会計の推進に関する研究会におきまして、施設ごと、事業ごとのセグメント分析の手法などについて検討をしているところであります。今後、この研究会の検討結果を踏まえ、施設別の行政コスト計算書などを作成し、施設の適切な管理、更新、受益と負担の観点からの適正な使用料のあり方の検討などに活用してまいりたいと考えております。  次に、県有施設のマネジメントへの新財務諸表の活用についてのお尋ねであります。  県有財産の総量縮小や利活用など適正管理を推進するため、平成29年3月に長野県ファシリティマネジメント基本計画を策定し、取り組みを進めているところであります。この中で、老朽化施設の更新を計画的に進めるため、2020年度末までに施設別の中長期修繕・改修計画を策定することとしております。今後、個別施設の計画策定に当たりましては、資産老朽化比率など新財務諸表から得られる情報も活用しながら優先度を明確にしてまいりたいと考えております。  これを踏まえ、県有施設全体での修繕等の実施時期を調整することで財政負担の平準化を行い、中長期的な視点で適切に県有施設の長寿命化が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、県財政の分析、今後の財政運営への新財務諸表の活用についてのお尋ねであります。  平成28年度の財務諸表を統一的な基準により作成、公表している団体のうち、本県と財政力指数が類似している6団体と比較いたしますと、本県の県民1人当たり行政コストは29万1,000円で類似団体平均より5万円ほど低い状況にあります。また、本県の県民1人当たり負債額は95万6,000円で類似団体平均より13万円ほど低い状況となっております。これは、これまで県債の発行抑制に努めてきたことも一因であると考えております。  国の研究会では、各県の指標等の一覧化を検討していると聞いておりますので、今後、これも参考にしながら他県との比較や経年変化を見ていくなど、本県の財政状況を多角的に分析するためのツールとしてこの新財務諸表を活用し、持続可能な財政構造の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  以上であります。       〔18番中川宏昌君登壇〕 ◆18番(中川宏昌 君)これまで進められてきた公会計制度の改革の背景は、大きく2点あると言われております。  一つは、簡潔で効率的な自治体をつくっていくこと、これが1点。  それからもう1点は、これまでの公会計の制度的な要因から財政破綻が把握できなかった点、これからだと言われております。  ただいま答弁をいただいたところでございます。推測するに、現状は財務諸表の作成で手いっぱいというか、緒についたところであるとお伺いしたところでございますけれども、今後、人口減少の縮小社会の中で県歳入の減少が想定される中、財務諸表は県の財政運営の基礎となることから、財源の有効に寄与するべく、まずは人材育成、そして活用への体制整備を進めまして、その必要性や効果を十分に認識していただきながら持続可能な県政運営に努めていただきたいと要望をいたしまして、一切の質問を終わります。 ○議長(鈴木清 君)次に、花岡賢一議員。       〔1番花岡賢一君登壇〕 ◆1番(花岡賢一 君)今しばらくのおつき合いをお願いいたします。  まず初めに、河川改修についてお伺いいたします。  今回さまざまな方が昨年12月に閣議決定された防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策について質問をされている状況をお伺いしていると、限られた予算の中での事業の執行について計画的な整備が行われている、その状況は理解ができます。  今回、私は、河川の環境を取り上げたい中で目にとまったものがありました。「天然アユを増やす河川整備」といった文献を開くと、魚をふやす対策が河川改修工事で対応できるものもあると考えるのですが、財源の使い方としては、防災・減災、国土を強靱化する対策と同時に進めることができればかなり効率的であると考えるのですが、どのようなことが想定されているかも含めて御所見を建設部長にお伺いいたします。  また、特色ある観光によりさまざまな地域活性化策を行う中で、本県は、釣りと観光をセットで提供する釣ーリズムを推進してきました。この施策が展開される前から、河川において魚がいないとの声はあったわけですが、現地で御意見をお伺いすると、魚がいないと言われている現状はかなり深刻で、千曲川のアユの解禁日を長年にわたり毎年楽しみにしていた人ですら1匹釣れたのみと言っていた状況もあったようです。ちなみに、この方は地元の方ですが、漁業組合のお話だと、解禁後3日ぐらいまではそれでも釣り人が来ていたようですが、その後は全くといってよいほど人は来なかったとの現実もあるようです。施策が展開される以前から川に魚がいないと言われる状況の分析を進めてきてはいたはずですが、それと同時に、釣れないとの話が出てしまったら釣り人は来ない、もしくは二度と来ないとも言われていた中で行われた釣ーリズムはどのような影響を及ぼしたのでしょうか。これまでの成果について農政部長にお伺いいたします。  魚がいないとの声を聞く中で、同時に耳にするのがカワウの食害であります。野生生物のカワウは、当然人が近づけば逃げます。魚が釣れれば川に人が入るわけで、人が入ればカワウは逃げます。これが現在逆転している状況なのかもしれません。人が入らないからカワウが来て魚が食べられてしまう、まさに負のスパイラルに突入している様相を呈しているのではないでしょうか。  子供のころを思い出してみれば、夕方、ところどころ魚が動き、夕日に照らされた波紋をつくっていた情景は、今はなかなか見ることはできません。今を生きる人間が環境に影響を与えてしまうことを当たり前と考えるか、次世代につないでいくかを問われている中で、県として取り組んでいかなければならない課題の一つと捉えています。魚が釣れないと言われる原因をどのように分析しているのでしょうか。  また、昨年9月の信濃毎日新聞掲載の記事では、アユ放流半減との記事も見てとれるわけですが、魚をふやす対策を県として行っている状況とあわせて農政部長にお伺いいたします。  豊かな河川環境と災害に強い河川環境がお互いに機能し合う開発をしていけたとしたらまさに持続可能な開発が進んでいく状況と考えますが、そのような中、長野県漁業協同組合連合会は、平成30年10月に、漁場環境の修復と水産資源の再生推進について国への要望を行っています。この要望について、長野県はどのように関与しているのでしょうか。また、要望の内容についての認識もあわせて農政部長にお伺いいたします。  河川事業の進め方についてお伺いします。  地域の皆様の思いを県政へと誰もが活動をされているものと日々感じておりますが、地元の区長さんとの意見交換を行うと、必ずといっていいほど河川改修の話をいただきます。その理由の一つが、近年の気候状況の変化からであるとも思われますが、想定外の降雨量や森林環境の変化などさまざまな課題が出てきております。地域の安全、安心を真っ先に構築することが住民益につながると考え、皆様お取り組みのことと思いますが、県下には多くの1級河川があり、地域の方々からはさまざまな要望が出されています。  特に、早期に効果が出せる河川内の土砂の撤去や樹木の伐採に関するものが多いと感じていますが、その際、地域の方々が建設事務所に出向いたり現地で立ち会いなどをして要望する機会も少なくありません。  土砂撤去や樹木の伐採であっても、工事を行うに当たり、そのさまざまな検討や調整が必要で時間がかかってしまうことは理解できますが、工事実施までの時間を要する場合、地元の皆様の切実な思いを鑑みれば、検討、調整の途中段階であっても、その状況や見直しなどを説明するなど、地域の皆様に対する丁寧な対応が必要と考えるのですが、建設部長の御所見をお伺いいたします。  また、近年の豪雨に関連して農業水利施設の改修についてお伺いいたします。  農業農村は、食料を安定的に供給する農産物の生産の場としてだけではなく、さまざまな働きを持っています。例えば、大雨の際、雨水を一時的に田んぼに蓄え、時間をかけてゆっくり下流に流すといった洪水防止機能や地下水を涵養する機能に代表される多面的機能があります。こうした多面的機能が適切に発揮されるためには、農家の皆様による営農活動を継続することが重要となりますが、近年、その営農に不可欠な農業用水を供給する農業水利施設の老朽化が著しい箇所がふえ、施設の管理や操作に要する費用や労力、そういったものが農家の負担になっている現状を耳にします。  また、近年多発する豪雨時には、事故を防ぐために農業用水路には近づかないよう注意喚起がされることもありますし、豪雨後、水利施設が崩壊してしまっている現状を考えると、地域の農地を潤している農業水利施設について洪水における水門の適切な操作や老朽化した施設の改修に対して県はしっかりとした支援と指導をすべきと考えますが、農政部長の考えはいかがでしょうか。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)河川整備と魚の生息についてのお尋ねでございます。  河川整備に当たっては、魚など河川に生息している生物の生育環境に配慮した多自然川づくりを基本としております。具体的には、魚が生息するために重要なみお筋の瀬やふちの保全に配慮したり、隠れる場となるようなすき間が多い護岸とするなどさまざまな工夫をしながら河川改修を進めています。工事の実施に際しては、地域の漁業協同組合と関係者の皆様と時期や方法等を相談することで魚への影響を可能な限り減らす努力をしているところです。  また、千曲川下流では、魚等の生息等河川環境の課題を把握するため、大型の回遊魚であるサケを指標とした調査を行っています。今後もこうした取り組みを続けるとともに、さらに工夫し、魚の生息に配慮した河川改修を進めてまいります。  次に、土砂の撤去等河川事業の進め方についてのお尋ねでございます。  河川内に堆積した土砂や樹木の除去には、工事期間が比較的短いものもあります。その場合でも、着手前に沿川の住民や漁業協同組合など関係する皆様との調整に時間を要し、すぐ着手できないケースがあることは議員御指摘のとおりでございます。対応までに時間を要する場合、関係する皆様への情報提供や丁寧な説明は大切であると認識しており、改めてその徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)4点御質問をいただきました。順次お答えをいたします。  まず、釣ーリズム信州の成果についてであります。  この事業は、釣り人をふやすことで漁業振興と観光振興を図ることを目的として平成29年度から取り組みを進めており、現在2カ所で実施をしております。取り組み2年目の千曲市戸倉上山田地域では、渓流魚が禁漁となる10月から2月まで、ニジマスを放流した釣り場を開設したり地元の小中学生を対象とした釣り教室を開催するなど、釣り人口の裾野の拡大を図っております。さらに、旅館組合が発行するチラシでも釣ーリズムを紹介していただくなど、観光と連携した取り組みも進めております。この結果、2年間で、遊漁券販売数は、事業開始前の平成28年に比べ、年間釣り券が約2倍、一日券が約3倍の売り上げとなるなど着実に釣り客は増加しております。  また、今年度スタートした木祖村では、村に生息するヤマトイワナが産卵できる場所づくりや毛針用の釣り場の31年度中の開設により釣り人の増加を期待しているところであります。  次に、魚が釣れないという声の原因と対策についてであります。  近年、アユについては、釣り関係者の方などから釣れないというお話を伺っておりますが、渓流魚やワカサギでは、年による好不調はあるものの、一様に釣れないという状況ではないと認識をしております。アユは友釣りが主体でありまして、川の中のアユの密度が低いと釣れない傾向にあります。本県は海から天然アユの遡上がなく、漁協の放流のみで釣り場をつくっているため、海からの遡上がある地域に比べ不利であることに加え、近年は釣り人の減少などによる漁協の経営面の影響から十分な量の稚魚が放流されていないことも原因と考えられます。  そのほかの原因としては、河川環境の変化による生息場所の減少、近年のゲリラ豪雨などによる水の濁り、カワウやコクチバスによる食害、餌となるコケの生育の停滞などが考えられます。  これらの対策としまして、川幅が狭く少ない放流量でもアユの密度を上げやすい支流は、環境の変化や水の濁り、食害などの影響が少ないため活用を進めております。川幅が広い本流につきましては、雨が比較的少ない時期に狭い範囲に集中的に放流して密度を高め、釣れる期間と場所をつくり出す方法を助言、指導しております。また、有害鳥の駆除や追い払いへの支援など魚をふやすための取り組みも引き続き進めてまいります。  続きまして、県漁業協同組合連合会の国への要望についてであります。  今回の要望に当たり、県漁連からは事前に連絡を受けておりまして、内容については、多自然型川づくり、魚道整備の推進と適切な維持管理、水生生物の食害対策、信濃川及び諏訪湖の再生などについて予算の確保と支援の要望と承知しております。  なお、本年1月に同趣旨の要望を県に対してもいただいておりまして、要望には、県漁業振興計画や諏訪湖創生ビジョン等で取り組んでいる内容も含まれておりますので、関係部局で情報共有を図りながら対応を検討してまいりたいと考えております。  最後に、農業水利施設の安全な操作や改修への支援についてであります。  農業水利施設は、農産物の安定生産に欠かせないものでありますが、その多くが昭和30年代から50年代につくられ、議員御指摘のとおり老朽化が進んでおります。県では、これらの施設を将来にわたって適切に保全管理していくため、長野県農業農村整備計画に基づき、市町村等と役割分担をしながら劣化状況の調査を行い、その結果と地域からの要望を踏まえ、計画的に補修、更新を進めているところであります。  また、農業用水を取水、分配する水門の改修においては、管理の省力化や洪水時の操作の安全確保を図るため、スマートフォンを用いた遠方での操作を可能とするなどICTの活用を進めております。今後も、市町村や土地改良区等と連携し、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を初めとする国庫補助事業を積極的に活用するとともに、団体営土地改良事業につきましては、県の補助負担の充実強化を図ることにより引き続き農家負担の軽減に努めてまいります。  以上でございます。       〔1番花岡賢一君登壇〕 ◆1番(花岡賢一 君)御答弁いただきましたが、認識の違いだったら訂正してください。  先ほどの話ですと、釣れるところは釣れる、釣れないところは釣れなくてもいいというふうな説明に聞こえてしまったんですが、そこのところの説明をお願いします。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)お答えいたします。  先ほども答弁いたしましたけれども、川幅が狭く少ない放流量でもアユの密度の上げやすい支流につきましてはその活用を進めていると、それから、川幅が広い本流につきましてはアユの密度が低いということで、なかなか釣れないという状況がありますけれども、雨の比較的少ない時期に狭い範囲に集中的に放流して密度を高め、釣れる期間と場所をつくり出す方法で助言、指導しているといったようなことで、釣れない場所についてそのままにしているということではございませんので、御理解いただきたいと思います。  以上です。       〔1番花岡賢一君登壇〕 ◆1番(花岡賢一 君)やはり原因についてはなかなか難しく、突きとめにくいところがあるというふうに私も感じているところであります。  ただ、現地の方のお話を聞くと、魚がいない原因について釣り人が発信している中に、岩にコケが生えていないといった内容がありました。生き物は食べ物がなければ食料を求めて移動してしまうわけです。さまざまな要因を考察してさらなる取り組みを求めて、質問を移ります。  しごと改革、働き方改革についてお伺いいたします。  企業局では、先月、しごと改革、働き方改革の一環として、フリーアドレスを取り入れたオフィスのリニューアルを行いましたが、その狙いと、現段階での効果はどのようでありますでしょうか。公営企業管理者にお伺いいたします。  また、県立学校に空調設備を整えていく施策は、気候変動の著しい中、時代が動かざるを得なかった状況を目の当たりにした一つの例と捉えることができます。県立高校には、数名の教職員だけの研究室、授業準備室などが校内に点在しているところが多いと聞いています。限られた財源の中でこれらの個々の研究室などに空調の設備を行うことは、設置費のみならず、環境的にも課題が大きいと考えます。  クールシェアスポット的な発想も取り入れ、多くの教職員が集まる場所を用意して整備を行うことが、費用や環境面での効果だけでなく、教職員間の情報伝達も容易になるなど働き方改革につながると考えますが、イメージはありますでしょうか。原山教育長にお伺いいたします。  しごと改革、働き方改革を進める上で企業局の取り組みは先進的であると評価されるものと考えます。知事部局でも積極的に取り入れていくことが求められると思いますが、総務部長のお考えはありますでしょうか。       〔公営企業管理者小林透君登壇〕 ◎公営企業管理者(小林透 君)しごと改革、働き方改革の御質問にお答えいたします。  まず、オフィスのリニューアルの狙いについてでございますが、企業局では、再生可能エネルギーの供給拡大や水道法の改正を踏まえた持続可能な水道事業の構築、頻発する大規模災害への対策等の喫緊の課題に対し限られた人材で的確かつ迅速に対応していくため、しごと改革、働き方改革を断行し、職員が生き生きと働き、みずからの働き方と時間をマネジメントする柔軟で俊敏な組織へと展開することで、生産性の向上とワーク・ライフ・バランスの推進を図ることといたしました。  具体的には、本年度、まず本庁においてオフィスのリニューアルを行う中で、紙の文書を40%以上削減してスペースを生み出し、コミュニケーションの活性化と仕事のオン、オフの切りかえにより業務効率の向上を図るフィーカエリアを初め、テレビ会議が可能なミーティングエリアや集中して事務を行うロックインエリアといった多様な執務空間を県産材も活用しつつ創出するとともに、Wi-Fi環境を整備し、モバイルパソコンを企業局本庁の全職員に配備することなどによりまして、フリーアドレスなどの時間や場所にとらわれない働き方を可能としたところでございます。  次に、現段階における効果については、順次整備してまいり定着を図っているところでございますが、導入前に比べ職場が明るくなり、各エリアで課や係を超えて打ち合わせなどを行う職員が目に見えてふえまして、職員からも、職場内のコミュニケーションが活性化し活気が感じられるようになったといった声も聞かれるようになるなど手応えを感じております。今後は、昨年10月に設置した企業局しごと改革・働き方改革推進本部を中核といたしまして、テレワークや時差勤務などソフト面での取り組みをさらに充実するとともに、ハード面でも、来年度、固定電話の削減による全職員への携帯端末の配備や現地機関におけるオフィスのリニューアルなどに取り組み、企業局職員が一丸となってしごと改革、働き方改革を一層推進してまいる所存です。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)多くの教職員が集まる場所の整備についてのお尋ねでございます。  今回の県立学校空調設備緊急整備事業では、小さな研究室等ではなくて、クールシェアスポット的な活用が期待できる大きな場所に設置することとしたところでございます。  議員から御提案のありましたような教職員が一堂に会する場所、いわゆる大職員室を整備することは費用面等で効率的であるばかりでなく、これからの学びの方向性である教科の枠を超えた融合的な学びを実現する一つの方策であるとともに、日常的な職員間での情報共有や緊急対応にも有効なことから、働き方改革にもつながるものというふうに考えております。  現在、これからの学びにふさわしい学習空間につきまして、県立学校学習空間デザイン検討委員会において検討しているところでありますが、この中で職員室のあり方についても検討してまいりたいというふうに考えております。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)知事部局におけるフリーアドレスの導入についてのお尋ねであります。  しごと改革、働き方改革は、仕事の質と生産性の向上を図るほか、職員の柔軟な働き方を実現するとともに、職員が意欲を持って活躍しやすい職場環境を構築する取り組みであり、県として積極的に取り組む必要があるものと認識をしております。  現在、全庁を挙げて、公文書の電子化、減量化などによる業務の生産性向上や、業務上使用するパソコンのモバイル化などICTの活用促進、テレワークの推進など多様で柔軟な働き方の導入といった取り組みを行うこととしております。フリーアドレスにつきましても、職員間のコミュニケーションの活性化や創造的な発想を生み出す執務空間の創出のために有効な手段と考えております。  このため、知事部局におきましても、来年度、外部の方と頻繁な打ち合わせを行うなど柔軟な働き方が求められている新たに設置する営業本部でフリーアドレスの導入を行うこととしておりまして、その効果を検証しながらフリーアドレスの導入が適する職場について検討してまいりたいと考えております。  以上であります。       〔1番花岡賢一君登壇〕 ◆1番(花岡賢一 君)御答弁いただきました。  公営企業管理者の答えの中で固定電話という言葉が発せられました。フリーアドレスの推進を妨げる要因の一つに固定電話があると私は思っています。自分の机に固定電話があって、これは私の机です的な考え方ではスマート県庁の施策は進まない、そう思っています。  最近では、スマートフォンを内線化するサービスもあることを考えると、みずからが持っているスマートフォンがその職務上運用される時代が来るかもしれません。設置、管理、運用の費用を考えると、格段に効果を生む可能性を含んでいることは間違いありませんが、コンプライアンスの意識向上も同時に図って県有財産の共有の感覚への転換を推進することで、より効率的なスマート県庁につながることを思い、提案しながら私の質問を終わります。 ○議長(鈴木清 君)お諮りいたします。本日はこの程度で延会にいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。  次会は、明27日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後3時5分延会...